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日本に階級は存在するのか?階級という言葉は日本人にとってはあまり馴染みがないかも知れません。

 

階級とは

階級の定義を辞書で引くと「身分、職業、学歴、財産などによって形成された社会集団」という言葉がでてきます。この記事では、階級を「個人の努力では超えることが難しい社会的な壁」と定義しておきます。

ここでいう階級のわかりやすい例としては、インドのカースト制度があります。世界史で習ったことがある人も多いと思います。カースト制度は身分が高い順に、バラモン、クシャトリヤ、バイシャ、シュードラという身分が存在し、親から子へ受け継がれます。生まれた後にカーストを変えることはできません。そして、カーストの位によって職業選択の自由等が制限され、強制的に就くべき職業が決まってしまいます。制度によって厳密に階級が定義されている例は現代の世界において稀ですが、社会システム的に階級が維持されている例はイギリスなど他の国にもあります。

 

日本に階級は存在するか

カーストの例を見ると、日本は自由に職業を選べ、階級といったものは存在しないように見えます。でも、本当にそうなのでしょうか。このことを考えるのが今回の記事の目的です。

まずはこちらの図を見てください。

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(出典:文部科学省:お茶の水女子大学委託研究(平成20年度))

こちらは、平成20年度に文部科学省が行った全国学力調査の結果です。公立小学校6年生の場合、親の収入と各科目との正答率の間に明らかな相関関係があることがわかります。次に、こちらの図を見てください。

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(出典:独立行政法人労働政策研究・研修機構『ユースフル労働統計-労働統計加工指標集-2013』より)

平成22年度の学歴別生涯平均賃金です。カッコ内は同一企業で定年まで転職せずに勤務した場合の数字です。

上の二つのデータから、「親の年収と子どもの学力」「学歴と生涯賃金」に相関関係があることがわかります。因果関係ではなく相関関係ですので、これらの二つの要素が関係しているということは安易には言えません。(相関関係と因果関係の違いについてはこちらの記事を参照)しかし、これらの要素間に何らかの関係があるとすると「親の年収が高いと子どもの学力が高くなり、その子どもの年収も高くなり、孫の学歴が高くなり、、、」ということが言えます。つまり、親の年収と学歴間の関係によって収入が高い層とそうでない層に分かれてしまうということです。

結論としては、「日本にはカースト制度ほどはっきりとした階級は無いけれど、収入や学歴の関係上何かしらの階層の固定化はありそうだ」ということが言えます。

 

[Photo via peggy][文部科学省]

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