【読了時間:約 3分

 世界規模で問題化するクリミア半島 

ロシアが、クリミアの独立を承認し、クリミアのロシア連邦への編入を認めたことに対し、国際的な非難が高まっている。欧米各国はロシアに対する制裁を実施し、日本もこれを検討しているという。

ロシア側の主張は、ウクライナにおいて、クリミアに住むロシア人が虐げられており、それを助けるためにウクライナからの独立を支援し、独立した国家が国内における住民投票という民主的な手続きにのっとりロシア連邦への編入を望み、国際的な手続きに従って条約により編入を決定して、全て正当な手続きによるものだというものだ。

一方、それを非難する欧米諸国の主張は、ロシアの行為はウクライナの統治への不正な介入であり、クリミアの独立は認められないから、国家ではない主体との条約も存在しえず、ロシアは不当にウクライナの領土を奪った、というものである。

 

これは単なる領土問題ではない

この問題は、単なる領土をめぐる問題以上に根深いものがある。それは、マイノリティ(少数派)をめぐる問題である。マイノリティは、差別の対象になる、経済的に不遇な立場に置かれることが多い。だから、マイノリティは自分たちで集まって、マジョリティ(多数派)からの独立を求める。この場合、ウクライナ全体ではウクライナ人がマジョリティで、ロシア人がマイノリティであった。

そして、そのロシア人が集まって暮らしていたのが、今回のクリミアであった。だからこそクリミアは、ウクライナからの独立を求め、同胞ロシア人の多く住むロシア連邦への編入を望んだ。しかしながら、これでロシア人とウクライナ人がそれぞれ国を持って皆が幸せになれるわけではない。

なぜなら、クリミアにおいても完全にロシア人だけが住んでいたわけではなく、ロシア人とウクライナ人が少なからず交じりあいながら暮らしていたからである。クリミアという地域だけを見ると、ロシア人がマジョリティで、ウクライナ人がマイノリティだったのだ。

 

全てのマイノリティに関わる問題

だからこそ、住民投票もロシアへの編入が賛成多数に終わった。そして、このままクリミアがロシアに編入すれば、今度はロシアのなかでウクライナ人がマイノリティとして暮らすことになる。もしかしたらそれは、再びクリミアの一地域がウクライナからの支援を受けてロシアから独立する事態を招くかもしれない。

このマイノリティの問題を解決しないかぎり、争いの連鎖が終わることはないだろう。マイノリティがマイノリティであることを感じさせない社会、人種や民族による差別が制度と現実の両方の点で存在しない社会を目指さなければならない。国際紛争となると各国の政治的なパワーバランスのみが注目されがちであるが、真剣に議論すべきは各国国内におけるマイノリティの問題なのではなかろうか。

 

Credoをフォローする