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前回(『ハクティビズムとは何か(1) – ハッキングとアクティビズム』)に引き続きハクティビズムに関する記事です。今回はハクティビズムの実例に関して解説していきます。

 

アノニマス

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アノニマス(Anonymous)=匿名という意味です。アノニマスは「情報の自由を守る」という大義を掲げ、この大義に反する企業や政府に対して合法-非合法を問わず抗議活動を行う組織です。具体的な法人などが存在するわけではなく、インターネットの掲示板を基本とした緩やかな繋がりを通じて活動が行われています。

アノニマスは日本でも活発に活動しており、2011年にプレイステーションをクラッキング(違法にプログラムを操作すること)したハッカーに対し、SONY側が起訴したことへの抗議として行った活動が有名です。この抗議活動によってSONYのサーバーから1億人以上の個人情報が流出しました。

「情報の自由を守る」という大義に沿って活動が行われることから、その活動領域はある意味曖昧で、最近では2014年1月にイルカ漁への抗議活動として和歌山県が運営する情報サイト「和歌山情報館」をサーバーダウンさせています。

 

ウィキリークス

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ウィキリークスは2006年にハッカーのジュリアン•アサンジが立ち上げたサイトです。企業や政府の内部告発された機密情報を掲載することを主な目的としています。ジュリアン•アサンジは暗号技術のスペシャリストであるため、一般人からウィキリークスに提供された情報は暗号化され、何重にも海外のサーバーを経由することでいつ誰が投稿したのかわからないように細工されます。

具体的な活動事例としては、アメリカ軍のブラッドリー•マニング上等兵の事件が有名です。彼はアメリカ軍の機密情報をウィキリークスに対して提供したのですが、その数が70万件と多すぎた為にウィキリークス側が処理しきれずマニング氏への手がかりを残したままサイトに掲載してしまいました。そのことを原因として彼は逮捕され、裁判にかけられた後すでに35年の禁固刑が確定しています。

日本でも活発に活動を行っており、2008年に高速増殖炉「もんじゅ」のナトリウム漏れ事件の非公開情報を公開したことで社会に大きな衝撃を与えました。

 

日本のハクティビズム

アノニマスやウィキリークスは日本でも活動を行っていますが、共に海外発の事例です。日本発のハクティビズムの事例としてはいくつかの反原発デモ、one voice campaignなどがあげられます。これらはインターネットや情報技術を効果的なパフォーマンスを行うための一手段として用いていることから、「パフォーマティブアクティビズム」(前回記事参照)にあたります。インターネットを使った活動によって合法的に制度の変更を迫るという意味では、ウィキリークスのように技術によって体制側が持っている力を事実上無効化するようなハクティビズムとはまた異なる形の活動です。

社会学者の北田暁大は『嗤う日本の「ナショナリズム」』という本の中で、「ネット上の匿名コミュニケーションの本質はシニカルな嗤いを希求する社会性である」と指摘しています。インターネット上のコミュニケーションを起点として行われる社会活動が果たして意味のある活動となりうるのか、今後も注目です。

[Photo by Seen MacEntee]

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