【読了時間:約 4分

岸田文雄外相が24日ミャンマーを訪れ、テインセイン大統領などと面会し、約247億円の借款(※1)を決定しました。近年、日本からミャンマーへ熱い視線が注がれています。それはなぜなのでしょうか。

 

ミャンマーってどんな国?

ミャンマーは東南アジアの西の端に位置する国で、1980年代までは「ビルマ」と呼ばれていました。1962年~2012年まで軍事政権(※2)の支配下にあり、民衆の声を政治の場に届けることは難しい状態にありました。民主化を求める運動を軍事政権が何度も弾圧したことに対して、アメリカやEUは様々な制裁を加えました。

201309021754296f8

例えば、アメリカはミャンマー国籍の人に対してビザの発行を禁止したり、金融サービスを提供することの禁止、ミャンマーが原産国である賞品の輸出禁止などの制裁を行っています。こういった制裁によってミャンマーの経済成長は著しく遅れたと言われています。

2011年にテインセイン大統領が就任し、ミャンマーの政治が民主化(※3)されると2012年にはアメリカやEUのミャンマーに対する制裁措置は解除されることになりました。ミャンマーが注目されるようになったそもそもの発端としては、政権交代によってミャンマーが他の国と経済的なやりとりがやりやすくなったということがあります。

 

ミャンマーが注目される理由

ミャンマーが注目される理由は主に下記の3つです。
1、賃金が安い

下の各国の月間給与比較からもわかるとおり、ミャンマーはアジア諸国の中でも特に労働者賃金が安いのです。もちろんタイやインドネシアなども賃金は安いのですが、製造業等の海外企業が盛んに進出したことなどを理由として、近年賃金の水準は上昇しています(ヤンゴン、ダッカ、プノンペン、ハノイはそれぞれミャンマー、バングラディシュ、カンボジア、ベトナムの首都)。

そのことを受けて、ミャンマーが次の進出先として注目されています。たとえば、ある日本企業では中国、タイ、インドネシアと移して来た工場所在地の次のターゲットとしてミャンマーを想定しています。

img_ed6afa88dbd3d22299a369b259e1428634585 (1)

2、若い人が沢山いる

労働力の供給地というだけではなく、消費地としてもミャンマーは注目されています。ミャンマーの人口は5000万人強で、平均年齢は26歳です(日本人の平均年齢は44歳)。既に述べたように、ミャンマーの現在の賃金水準は低いのですが、将来の経済成長を見越して若くて大きな市場に先行投資をしようという思惑が各国企業に見られます。

3、高い識字率と厳かな国民性

ミャンマーの識字率(※4)は90%にのぼります。単純な比較はできませんが、同程度の賃金水準のバングラディシュが56%、カンボジアが76%であることを考えるとかなり高い水準であることがわかります。

労働を行う際に、文字を読めた方ができる仕事の幅が広がります。そのため、同程度の賃金水準、治安レベルの国の場合は識字率が高い国の方が海外から企業が進出しやすいという面はあります。

また、ミャンマーは国民の90%が仏教徒です。若い人でも信仰が厚く、日常的に仏教施設へお祈りをしにいきます。そういった文化性も手伝って、ミャンマーの人々は穏やかな人が多いと言われています(もちろん国民の性格を一概に語ることはできませんが、宗教などへの信仰が共通した価値基準をつくることはあります)。

 

今回、ミャンマーが近年注目されている理由について解説しました。企業にとってミャンマーが魅力的な国であることは間違いないですが、企業の行き過ぎた進出によってミャンマーが魅力的であるそもそもの理由の国民性などが壊されないよう注視しなければなりません。

(※1)借款:政府や公的機関から主に途上国に対して行われる低金利の貸し付け
(※2)軍事政権:軍隊が政治を行うこと
(※3)民主化:民衆の意見をもとに政治が行われるようになること
(※4)識字率:読み書きができる人の割合

Credoをフォローする