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STAP細胞の不正論文問題が大変な話題になっています。研究リーダーである小保方晴子氏の所属組織である理化学研究所は、論文の作成に際して不正があったということを認めました。

それに対して、小保方氏側は8日に弁護士を通して不服申し立てをし、9日には小保方氏自身が会見を開いて反論を行う予定です。小保方氏は理化学研究所調査委員会の「捏造(ねつぞう)・改ざん」認定に対して「悪意はなかった」として真っ向から反論する予定です。

 

 法律概念の「悪意」と感情的な「悪意」は異なる

今後、法的な面も含めて争われることになりますが、そもそも法律上の概念の「悪意」と私たちが日常において使う感情としての「悪意」は意味が異なります。今回小保方氏が無かったとする「悪意」は法律概念的には「過失」にあたると思われます。

一般に、違法行為をしたということを認定するためには「過失」または「故意」であることを証明する必要があります。

「過失」はニュースや新聞などでよく目にすることばだと思いますが、「損害が予見できたにもかかわらず,その予見できた損害を回避べき義務(結果回避義務)を怠ったこと」を意味します。誰かが損害を受けることを予想できたにも関わらず、十分な対策を講じなかったために実際に誰かに損害を与えてしまった時、それを過失であると言います。

 

感情的悪意が無くても故意にはなる

たとえば、ウキウキしながら腕を大きく振って歩いていたところ、すれ違った人に手があたって怪我をさせてしまった場合などは過失に問われます。人にぶつけるために腕を振っていたのではないにせよ、歩いていれば人とすれ違うこと、そして腕の振り幅が大きければその人にあたってしまうということは予想できたはずです。

一方「故意」は損害の発生を認識していながらこれを容認して行為する心理状態をいうとされます。先ほどの腕ふり歩きの例で言うと、大きく腕を振りながら歩いていれば人にあたることもあるということをわかっていてそのまま腕を振り続けたらそれは「故意」になります。必ずしも「人に腕をあててやろう」という感情的な「悪意」が無くても良いのです。

 

一般に「故意」と認定されるよりも、「過失」と認定された方が法的にも社会的にも制裁が小さくて済みます。今回、小保方氏側は論文が不正であることは認めつつも、論文執筆者への制裁をできるだけ軽くする為に今回の主張を行っているものと思われます。

参考:『民法の取扱説明書

[Photo by jseliger2]

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