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4月9日、国は、原爆症の認定申請を却下した国の処分を取り消した熊本地裁の判決を不服として、その判決の1部に控訴を申し立てました。

 

裁判の役割

法学部の人間としては当たり前の内容ではあるのですが、自分で書いてみて何とも分かりにくい文章だな、と思いました。裁判ってほとんどの方にとって身近ではないものですよね。今回の記事では世間一般になじみのない「裁判の世界」について少し話してみようと思います。

そもそも、裁判は人間がもって生まれてきた権利、憲法で認められた権利を守るために、それが不正に侵害された状態を回復するためのものです。そして、その権利の侵害もしくは権利についての争いは、社会に存在する個人と個人の間だけではなく、組織の間でも起こります。そこで、法律の世界では裁判のあり方を大きく「私人」と「国家」に分けて考えます。

 

私法と公法

物の売り買いや結婚などに関係する「私人」同士の間で起こる争いを解決するためのルールを私法と呼びます。そして、私法に関する判断をする裁判手続きを民事訴訟といいます。私法には、一般的な「私人」間の関係を定める「民法」の他に、特殊な取引や関係において適用される「商法」や「会社法」などといった特別な法律があります。

一方で、「私人」と「国家」の間で起こる争いを解決するためのルールが公法と言われます。やはり「国家」という大きな権力が個々の「私人」の持つ権利を侵害することが多いので、基本的には「国家」の活動を制限するものです。「国家」を規律する憲法が代表的ですが、憲法をもっと具体的にし、実際の行政の現場で適用できるようにした「行政法」という法律の分野があります。そして、「私人」と「国家」の争いを解決するための裁判手続きが行政訴訟となります。

 

今回話題に上がった判決も、原子爆弾の健康被害にあった「私人」が、戦争という「国家」の行為によって健康という憲法で保障された生命・身体の自由と密接にかかわるものを侵害されたから、「国家」にはそれについて金銭的な補償をする義務がある、というのが大まかな構図です。

いかがでしょうか。今回ご紹介したのは法律を考える上での代表的な切り口のひとつですが、ぼんやりとでも法律について親しみを持っていただけたらと思います。

[Photo by Jennifer Morrow]

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