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今月、オバマ米政権が新しいタイプの核兵器性能実験に利用している「Zマシン」が、米エネルギー省サンディア国立研究所(米ニューメキシコ州)で、日本の報道機関に対して初公開されました。直径40メートルの機械で、瞬間的に発生させた巨大な電力から世界最強のX線をつくることができます。そのことによって、核爆発時と同じような高温高圧の状態をつくり出し、物質の変化について調べることができるそうです。

「Zマシン」を使った実験は2010年頃から何度も行われており、日本の被爆者団体などから批判を受けています。アメリカ側は「X線で核爆発に近い状態を再現する危険な実験というのは誤解」という主張をしていますが、一方で実験費はすべて軍事予算によってまかなわれているという事実もあります。

 

原爆投下に対する考え方のちがい

核の軍事目的以外の利用も含めて、様々な議論がありますが、大前提としてアメリカと日本では核に対するイメージがかなり異なります。その一例としては、第二次世界大戦の時に広島と長崎に落とされた原子爆弾に対する考え方が挙げられます。

アメリカのキニピアック大学(Quinnipiac University)が2009年に発表した世論調査によると、アメリカ人の約3分の2が、第2次世界大戦中の64年前、米国が広島と長崎に原爆を投下したことは正しかったと考えていることが明らかになっています。また、現在もリアルタイムで回答をすることができる討論サービス「DEBATE.org」上で行われている日本への原爆投下の是非に関する議論では50%対50%で意見がまっ二つに割れています。

先にあげた世論調査では、年齢が高く、第二次世界大戦の過酷さを知っている人ほど原爆投下を支持する人が多いという傾向が出ているそうです。一方で、米ソ冷戦時の核の恐怖の下で育った世代は原爆投下は正義ではなかったと考える層が多くなっています。

 

核へのイメージ

このように、どのような時代を生きて来たのかということによって核へのイメージは変わってきます。もちろん日本でも、第二次世界大戦、冷戦、原発推進、福島第二原発事故と様々な出来事の中で、どの時代を生きて来たのかによって核へのイメージは違うはずです。

アメリカの一部の人々にとっては核は「良いもの」であり、「正義」なのです。彼らの論理からすると「良いもの」を発展させるために実験を続けることは当然のことなのでしょう。既に書いたように、そもそもなぜ彼らがそういった考え方をするのかということを理解することなしには有効な議論は成り立たないでしょう。

[Photo by Don Ricahrd]

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