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4月14日にアメリカで最も栄誉ある報道に関する賞である、ピューリッツァー賞がアメリカの新聞「ワシントンポスト」とイギリスの新聞「ガーディアン」に対して贈られました。

両紙はCIA(アメリカ中央情報局)の元職員である、エドワード•スノーデン氏から提供された情報を元にCIAの個人情報収集に関する報道を何度も行ってきました。そのことが「積極的な報道を通して、安全保障とプライバシーの分野で政府と個人の関係についての議論を起こした」という受賞理由に繋がりました。

 

ピューリッツァー賞とは

ピューリッツァー賞は日本ではあまり馴染みがありませんが、アメリカでは大変権威がある賞です。日本人も受賞したことがあります。たとえば、下記の写真で有名な「浅沼稲二郎暗殺事件」の瞬間を撮影した長尾靖が有名です。また、ベトナム戦争で縦断を避けながら川を渡る母子を撮影した沢田教一の「安全への逃避」もあまりにも有名です。

Assassination of Asanuma Inejiro

「浅沼社会党委員長の暗殺」(c) Corbis 撮影:長尾靖(毎日新聞)

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「安全への逃避」と並んだ沢田教一氏 

ピューリッツァー賞はアメリカの新聞経営者でありジャーナリストでもあったジョセフ•ピューリッツァーの遺言によって作られた賞です。遺言によって作られた権威ある賞という意味ではノーベル賞も同様です。

 

ピューリッツァーが遺言を残した理由

ピューリッツァーは戦前イエロージャーナリズムというものに傾倒(考え方や行動が傾くこと)したことがありました。イエロージャーナリズムというのは、センセーショナルな内容のジャーナリズムを指します。センセーショナルな記事を狙うあまり、信頼性に乏しい記事まで掲載する傾向が強く、信頼性よりも「どれだけウケるか」というところを重要視するのが特徴です。

イエロー・ジャーナリズムの共通点は、「アンチ・エスタブリッシュメント(反体制)」を掲げて、政府や大企業を攻撃し、一般大衆のウケを狙ったとことろにあります。ピューリッツァーが遺言を残したのはイエロージャーナリズムに傾倒してジャーナリズムの本質を見失ってしまったことを反省して、ジャーナリズムの健全性に貢献するようなことをしたかったからだと言われています。

 

[Photo by gahetna]

[参考文献]吉見俊哉,2012年,

メディア文化論 –メディアを学ぶ人のための15話 改訂版 (有斐閣アルマ)””

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