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南極海での捕鯨が中止に

国際的なルールを決める場である国際司法裁判所での裁判に負け、日本が南極海で行う捕鯨(鯨を捕まえる行為)が中止されることになりました。捕鯨に反対するオーストラリアが日本を訴え、16人の裁判官のうち12人がオーストラリアの主張を支持しました。

国際司法裁判所は1982年に商売の為の捕鯨を禁止する決定を出しています。それ以降は鯨の肉や油を売るためだけに鯨を捕獲することは国際的に許されません。一方で、鯨の頭数や生態を科学的に調査するために捕獲することは許されています。しかし今回、日本の調査のための鯨の捕獲頭数が少なかったことや、国内で調査捕鯨の為に捕らえた鯨の肉が売られていることなどが問題視され、今回のような判決結果になりました。

 

捕鯨に関する争点

日本も加盟している国際的な捕鯨のあり方を決める機関である国際捕鯨委員会には88カ国が加盟していますが、そのうち39カ国が捕鯨に賛成、49カ国が反対しています(2010年現在)。捕鯨の賛否に関してどのような問題が争われているのでしょうか。

一般的に捕鯨に反対する理由としては、「鯨はかわいそうだ」というものが思い浮かぶ人が多いと思いますが、この議題に関しては実はほぼ決着がついています。たしかに鯨は海に住む生物のうちでは知能が高いと言われています。しかし、「鯨は知能が高く、感情があるので殺してはいけない」ということになると、知能の定義やなぜ感情があると殺してはいけないのかという説明をしなければならなくなります。

 

日本は今後も捕鯨を継続

このことに対して、知能や感情の定義は宗教的な考え方など思想信条も絡んでくる上に、「知能が低い人間は殺しても良いのか」という道義上の問題提起も発生したため、科学的には決着のつく問題ではないと判断されたのです。現在国際捕鯨委員会では「文化として捕鯨を残すべき」「捕鯨は海洋の生態系を破壊するか否か」など9つの争点(※)で捕鯨の是非が争われています。

日本の立場としては、今回の国際司法裁判所の判断に従い南極海での調査捕鯨は中止にし、今回中止の対象にならなかった北西太平洋での捕鯨は続けていく予定です。

(※)9つの争点:資源としてのクジラ、自然保護問題としてのクジラ、クジラ知的生物論、文化としての捕鯨、先住民生存捕鯨、ホエールウォッチングとの対立、人道的捕殺問題、汚染の問題、国際法上の争点

[Photo by Isaac Kohane]

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