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前編に引き続き、NPO法人YouthCreate代表の原田謙介さんにお話を伺ってきました。

 

インターネットと選挙

前島:せっかくネット選挙に関する話がでたので話をそちらに移します。One Voice Campaign があってネット選挙が解禁されました。そんなにすぐに結果が出るわけがないので当たり前なので、直後の参議院選挙で若者の投票率は上がりませんでした。

これからネットを使った活動としてはどういったことをやっていくのが重要だとお考えでしょうか。

原田:投票率がすぐには上がらないであろうことは僕らも予想していました。逆にマスコミが勝手に「投票率が上がるかも!」と煽っておいて勝手にガッカリされたことは嫌でしたね。投票率としては低かったのですが、若い人であればあるほど選挙に行く際にネットを参考にしたという調査があるのです。

逆に高齢者の方は街頭演説を参考にしています。そういった意味では、これまでに比べると若い人によりそった選挙手法ができたということは成果だと思います。やはりまだみんな使い方を知らない、そこにリソースを割いていないんですよね。

使い方が下手なのに、「ネット選挙は意味がない」と断定している人には違和感を感じますね。

近藤:立候補者の側が使い方がうまくなかったということでしょうか?

原田:そうですね。

前島:はじまったばかりということもあるのだと思いますが、Twitter、ブログをはじめて、サイトをつくってタイムラインを貼付けて終わりという感じが多かったですよね。

近藤:選挙後も続けて情報発信している議員さんはいらっしゃるのでしょうか?

原田:それは当然選挙前の方が情報の発信量としては圧倒的に多いですね。しかし、量は減ったとは言っても定期的に更新をし続けている人もいます。一方で、当選した日でホームページの更新が止まっている人もいるので、そういった人はもったいないと思いますね。

使い方が下手だと言うことと、所詮SNSも内輪でしかないということを、意識しきれていないと思うのです。身内の人しか見ていないのであれば、SNSは新たな票を獲得するというよりは既存の支援者を強化するツールとして使うべきですよね。

それなのに、SNSで新たな支持者を獲得しようとすると効果としては薄いと思うのです。参議院選で一番悔しかったのは候補者と有権者の対話がなかったことですね。そのことが都知事選のAsk Tokyoの企画に繋がりました。

もちろんあれは本来企画としてやるべきものではなくて、Twitterで候補者が勝手にやってくれれば良かったものなのです。一方で第三者が企画としてアピールすることで、各陣営の固定しされた支援者の外の人にまで広がった感覚はありますね。

前島:都知事選だと家入さんだけ使い方が違いましたよね。家入さんは政策がなかったということもありますが。他の人はすでに作ってある政策の説明ツールとしてネットを使っていたのに対して、家入さんはそもそも政策を作るためのツールとしてネットを使っていましたよね。

「どんな東京を実現したいか」という問いかけから政策づくりをスタートするという。非常に衆愚政治というか、民衆の感情的な意見によって政治が決まってしまう危険性も大きい方法論だとは思いまししたが、試みとしては面白いと思いました。

原田:家入さんはOne Voice Campaignの頃からお世話になっていますし、好意的に捉えています。ただ、彼の試みは都知事選においては意味がなかったと思っています。インターネッ党だったり、家入さん的な手法が今後どういった動きを見せていくのかということを見ないとどんな意味があったのかはわかりません。

前島:都知事選において意味がなかったというのは、どういう意味でしょうか。家入さんが獲得した10万票にはこれまで政治に関心がなかった層の票も入っていると思うのですが。

原田:全く意味がなかったというのは家入さん自身に当選するつもりがなかったのではという点においてですね。やはり選挙に出るからには、候補者本人は絶対に勝つと思っていなければダメだと思うんですよね。特に都知事選は代表者一人を決める選挙ですので。

今回の家入陣営の場合は、勝つ為に選挙活動をしたというよりは、若者を巻き込む為の一種の実験場として使ったのだと思います。それは悪いことではないと思います。

しかし、市議会議員選挙のような一人を選ぶのではない選挙であればああいったやり方で当選することも有り得るとは思いますが、「都知事選で勝つ」という目的に照らすと全く意味がなかったと思います。しかし、あの手法や若者の巻き込み方などは、今後の様々な選挙で、参考にされていくんだと思います。

 

これからの生き方

前島:原田さん自身の今後のやり方ですが、そういった形で立候補という行為を通して政治関心を高めていくといったようなことはしないのですか?

原田:政治家になる気は全くないので、そういった方法はないですね。ivoteを立ち上げた時点で政治家にはならないと決めていました。理由としては、一つは今やっているような若い人と政治家の間に立つ活動をやっている人がほとんどいなかったので、政治家ではなくてそちらをやらなければならないという意識がありました。

もう一つは、単純に向いてないということですね。毎日365日頑張り続けることはできないですし、毎日スーツを着るのは嫌ですし(笑)。自分が仮に正しいと思っていても党議拘束によって意見を変えなければならないといったようなことも嫌でしたね。今後の方針としては、32歳まではこうった活動を続けようと考えています。

というのは、22歳の時にivoteを立ち上げたので、そこから10年を一区切りにしようと考えています。若者と政治を繋げるという文脈において、一応若者の側から話をしているという立場なので、年齢的にもそのあたりが引き際かなと思っています。

そのあたり、場を作ってそこに多くの人を巻き込むということだったり、他分野とのコラボレーションを進めていったり、結果を残していきたいと考えています。

 

企業の政治的責任

近藤:インタビューで企業とコラボレーションをしたいと以前おっしゃっていましたが、現在何か進んでいることはありますか?

原田:色々アプローチはしていて、これから形にしていくところですね。僕と同世代くらいの社会人にも政治に興味を持って欲しいと考えています。企業の責任の一つとして「社会の中で人を育てる」ということがあると思うのですが、当然その一貫として政治に関心を高める施策を行ってもらいたい。

近藤:それは、社員の政治参加を促すような取り組みを会社がやるということでしょうか。

原田:一つは、社員に体する政治参加の場を一緒に作るということですし、もう一つは企業の影響力を使って一般の方にメッセージを送っていくということですね。昨年の参議院選挙の時にFIRST STEPという選挙にいこうというメッセージを一斉に届けるサービスをやりました。

それはローソンが広報協力をしてくれて、ローソンのTwitterでつぶやいてくれたりしたのです。そういった形で企業の力を借りていきたいと思っています。別件ですが、お酒が好きなので「20歳になったら選挙とビール」という企画書を以前からつくっています。

大手ビール会社に投げているのですが、今のところ採用されていません(笑)。もっと攻めていきたいですね。Jリーグと地域政治のような文脈でも関わっていきたいですね。そういったことはずっと頭の中にはあったのです。

近藤:企業と政治というと、中立であるべきだという意見もありますし、企業も利益組織なので一定の主張を持つこともあると思うのです。企業と政治の関わり方についてはどうあるべきだとお考えでしょうか。

原田:企業は自社の利益のためにロビー活動だったりをやるというのは当然あると思います。一方で大きい企業になればなるほど、国を持続的に発展させていくという責任があると思うのです。

そういった意味で言うと、年金だったり環境問題だったり若い人が決めなければならないのでそういった場づくりの支援はしても良いのではないかと思いますね。年金問題や環境問題に直接関わりを持っていない企業だとしても、社会的な責任を果たす必要はあると思います。

もちろん気をつけなければならないのは、その場が企業の政策誘導だったり自社に都合の良いような動きをつくる場にならないようにつくっていくことです。

近藤:企業がある政党を応援するということと、若者の政治参加を促進する活動をするということは両立しうるものだということですね。

原田:そうですね。特に企業として政治に対して意見を言うというのは会社の上層部だけの話だと思うのです。一人一人の社員には色んな思いがあるはずなので。組織としての企業と、意思を持った一人一人の社員を両方含むのが企業ですので。

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前島:最後に若者に対してメッセージをお願いします。

原田:政治においてよく「投票に行った人が得をしやがって」みたいなことが言われると思うのです。でも、政治に関わる人が得をしているわけではなくて、民主主義なのだから誰もが選挙に行って自分の声を届けることができると思うのです。また、選挙以外にも政治の場に声を届ける手段は沢山あります。です

ので、政治的な活動をやっている人に対して批判を加えるのではなく、自分も対抗して政治参加していくようなそんな感覚が重要だと思うのです。「あいつら利権を持ちやがって」と批判しあっているだけではだめで、せっかく権利を持っているのだから行使するべきだと思うのです。

Youth Createの活動に関しても気軽に意見を寄せてもらえればと思います。

前島:本日はありがとうございました。

 

【イベント告知】

今回のインタビューでも話が出ていた、Voters Barが5月10日(土)に開催されます。今回はNPOとのコラボレーションだそうです。是非ご参加ください。

詳細:http://youthcreate.blogspot.jp/2014/04/51010voters-bar-npo.html

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