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インドのメディア研究センターの調査によると、50億ドル(約5122億円)もの費用がかかるという。5000億円というと明石海峡大橋を作るのにかかるくらいの費用である。民主主義の仕組みを守るためといってもこれほど費用をかけるべきなのか。今回、民主主義選挙のコストについて比較してみた。

 

日本の選挙費用

総務省の発表によると、現在日本で衆議院の総選挙にかかる費用は約600億円だという。これは大体地下鉄を2キロ引けるくらいの金額である。日本の有権者数が約1億人であり、インドの約8分の1、選挙にかかる費用も大体8分の1である。地下鉄2キロというとそんなものなのかな、と思うかもしれない。日本の国家予算の1000分の1にも見たい数字である。

一方で、アメリカの有権者は日本より少し多い1億3000万人ほどであるが、アメリカの大統領選はインド総選挙よりも多く70億ドル(約7000億円)の費用を必要とする。他にもいくつか理由が考えられるが、これにはメディアが発達しているが故の宣伝費などが多くかかっていることが理由としてあげられるだろう。

このように人口や宣伝費用の増加によって現在では選挙にかかる費用がとても大きくなっているのである。そもそも、民主制というものが始まった古代ギリシャのアテネでは選挙にかかる費用は分からないが、有権者の数は大体5万人ほどだったという。

大体静岡県の伊豆の国市の人口くらいである。このくらいの人口のときは、有権者全員の選挙で議会に参加する代表者を決めるのではなく、全員で議題について投票して決定をしていた。いわゆる直接民主制である。当時は、このような方法をとっても、それほどのコストにはならなかったのだろう。

 

新しい民主主義へ

一方で、18世紀末、フランスで初の男子普通選挙が行われた時の有権者数は約700万人だった。アテネの時代の約140倍の人口である。このときは、もはやこの人口で直接民主制を保つことをコスト的には困難である。

だからこそこの時代には議会で代表者を選び、議会における多数決で税などについて決定する間接民主制というものがとられていた。そして今また、この間接民主制が行われていたフランスの人口と比較して、インドの有権者数は約110倍以上になっている。

electioncost

果たしてコストの面から考えて、当時と同様の間接民主制を維持するのが正しいのか。インターネットなどの技術の進歩もある。インターネット投票には多くの問題点ももちろん存在する。しかし、これだけ有権者が増え、選挙をめぐる環境が変わっている以上、従来の選挙がもはや自明ではなく、新しい制度を考えることが必要なのかもしれない。

[Photo by Bryce Edwars]

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