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南シナ海における中国とベトナムの間の緊張が高まっている。発端は、両国が自国の領海だと主張する西沙諸(パセラル)島周辺にて、中国が石油掘削作業をはじめたことである。それに対して、ベトナムは抗議を行った。

その後、周辺の海域で両国の船が放水や体当たりなどの威嚇を繰り返した。ベトナム国内でも大きな反中デモが発生し、死傷者が報告され、ベトナムにいる多くの中国人が国外に避難するという事態に至っている。

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引用元:http://prideofjapan.blog10.fc2.com/blog-entry-5257.html

「過ち」とは

このことについて中国国防相が「過ちを繰り返すな」と警告を発した。この発言から歴史を遡ると、現代の国際社会のジレンマともいえる構造が見えてきた。繰り返されようとしている過去の「過ち」とは何なのだろうか。

この意味するところは、おそらく1974年1月に中国とベトナムが同じく西沙諸島の領有をめぐり武力衝突を起こした「西沙諸島の戦い」のことではないかと思われる。西沙諸島をめぐる争いが武力紛争に発展したものである。

この結果は、中国の完全な勝利で終わり、西沙諸島は中国の実効支配化におかれた。その後も、ベトナムが外交交渉を求めたが中国政府は応じなかったという。この結果を示唆しているのではなかろうか。

 

終わらない戦い

領土をめぐる戦いが発生し、一度それが収束しているにも関わらず、領土がどちらのものかは定まらず紛争は続いている。これはどういうことだろうか。世界史で学ぶ、いわゆる「戦争」では一方が降伏し、もう一方から領土や金銭を受け取る条約を結んで、戦争が終了する。

戦争が終了すればそれにより領土がどちらのものなのかがはっきりしたのだ。しかしながら、現代では「戦争」すなわち武力行使そのものが違法とされ、それに基づく領土の主張は無効なものとされている。第二次世界大戦以降、このように世界的に「戦争」を違法と考え忌避する風潮が大きくなっている。

その一方で、実際に存在する小規模な武力衝突は「戦争」にみたない「紛争」として考えられ、それに対する明確な出口が与えられていないのが、現在の国際社会ではないだろうか。だからこそ、同じ問題をめぐる国家間の緊張や武力衝突が時代を超えて繰り返されている。

これはある側面からは「戦争」のない平和な国際社会などではなく、引いてはぶつかり、引いてはぶつかりを繰り返し、あたかも「終わらない戦い」をしているようにも見える。

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