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民主党の枝野幸男議員が、集団的自衛権の行使が認められれば必然的に徴兵制を実施しなければならなくなる、という趣旨の発言をして問題化しました。

 自分の国を自分たちで守ることについてはモチベーションがあるので、個別的自衛権を行使するための軍隊は志願兵制度でも十分成り立つ。しかし中東の戦争に巻き込まれ、自衛隊の方が何十人と亡くなるということが起きた時に、今のようにちゃんと自衛隊員が集まってくれるのか真剣に考えないといけない。世界の警察をやるような軍隊をつくるには、志願制では困難というのが世界の常識だ。従って集団的自衛権を積極行使するようになれば、必然的に徴兵制にいかざるを得ないと思う。(さいたま市のオープンミーティングで) 2014年5月18日 朝日デジタルより

現在日本の自衛隊は志願制です。すなわち、希望して自衛隊の職に就いた人以外は自衛隊として働く必要はありません。しかし、世界には一定の年齢になると有無を言わさず軍事的な訓練を受けなければならない国も存在します。

 

徴兵制とは

そもそも徴兵制というのは、軍隊を志願兵ではなくて徴兵した兵によってつくる制度のことです。通常はある一定年齢に達した国民はある決まった年数を兵士として過ごさなければなりません。

たとえば韓国の男性は、満18歳で徴兵検査対象者となり、満19歳までに検査で兵役の判定を受けます。検査は、心理検査→身体検査→適性分類→兵役処分判定の4段階に渡って精密に行なわれ、医師の診断、経歴や資格などを生かせる適性検査(筆記)をもとに判定結果が出ます。その後約2年間の兵役に就くのです。

 

世界の状況

それでは、その他の世界の国々の徴兵制の状況はどうなっているのでしょうか。下の地図は、徴兵制を実施しているかどうかを国によって色分けしたものです。

Conscription_map_of_the_world.svg

 

出典:Wikipedia

徴兵制を実施している 徴兵制を実施していない 2年以内に徴兵制を廃止予定 軍隊を保有していない国 不明

1991年の冷静終結後徴兵制を廃止する国は増えています。ドイツ、フランス、スウェーデンなどがそうです。また、徴兵制を実施している国でも政治や宗教的な思想によって兵役を拒否する「良心的兵役拒否」を認める国が増えています。

一方で、スイスやオーストリアなどの永世中立国(他国間で戦争が起こった場合にどちらにも味方をしないことを立場をとる国家)では、中立性を保つ為に強力な軍隊の維持が必要であると考えられているため、徴兵制が堅持されています。

同じく永世中立国でありながら、非武装を掲げている中米のコスタリカは軍隊を持っていません。その代わりに訓練された警察を保持しており、国内に混乱が起こった際の鎮圧などは警察が行っています。そして、有事の際には国民に兵役を科すことができるということが憲法に明記されています。

 

経済的徴兵

アメリカは徴兵制ではなく志願兵制度を採用しています。しかし、アメリカの場合は軍隊に所属している人のうち貧困層や低学歴層が多くを占めており、軍隊に志願することによって奨学金などの社会的サポートを受けられるため、事実上の徴兵制ではないかという議論もあります。

こういった経済的な状況によって兵士にならざるを得ない状況を「経済的徴兵」と言います。世界的には徴兵制度を敷く国は減少しつつあるものの、兵士を確保するための制度(アメリカ陸軍の兵士に対する除隊後の経済的支援など)が事実上の徴兵制ではないのかという批判もある、というのが現状です。

[Photo by The U.S. army]

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