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もうすぐ5月も終わりますが、皆さんは景気をどのように感じておられるでしょうか。アベノミクスが成功したとか、失敗したとか色々言われてはおりますがいまいちよくわからない、というのが私の本音です。うーむ。

本記事では、数字は嘘をつかないをモットーに経済指標の一部をグラフでざっくりまとめて、景気のことを考えてみたいと思います。

 

耳にタコが出来るほど聞いた人もいるとは思いますが

アベノミクスは3本の矢で成り立っているとされています。大胆な金融政策・機動的な財政政策・民間投資を喚起する成長戦略です。もうちょっと内容に踏み込むと、
・大胆な金融政策は2%のインフレターゲティングと無制限の量的緩和
・機動的な財政政策は大規模な公共投資
・そして民間投資を喚起する成長戦略がイノベーション政策
などであると言われています。さて、ではこのアベノミクスを進めている第二次安倍内閣政権は景気の上昇に貢献することは出来ているのでしょうか?

 

今現在でわかる景気指標、まとめてきました

というわけで、今現在でわかる参考になりそうな指標をまとめてきました。日本経済新聞電子版で見ることが出来るものの中から私が気になったものを抜粋しております。では、第二次安倍内閣政権が始まった2012年12月26日の一期前からの指標をエクセルでまとめて見ていきましょう。

1.実質経済成長率

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実質経済成長率は物価上昇の影響を除いてGDP(国内総生産)がどれくらい増えているかを見るための指標です。速報値なので修正される可能性が大いにあるのですが、マイナス成長にはなっていないようですね。2013年10-12月の谷が深いのはなぜなのでしょうか…

2.企業について

画像3 企業短観は景気が良いか悪いかを各企業に回答してもらって、[良い]-[悪い](%)を表すものですね。非製造業に大きな違いは見られませんが、製造業がマイナスを脱したというのは素晴らしいことです。
画像4 そしてこちらは企業動向をざっくり見るための指標です。営業利益の伸びが凄いですね。製造業の企業短観と関連しているのでしょうか。

3.消費について

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続きまして、こちらは消費についての指数です。食料や住居など生活に必要な支出を表した消費支出は上下が激しいです。最後の3月にかけての伸びは恐らく増税前の駆け込み需要だと思われます。小売業販売額前年比は順調に増加しております。こちらは駆け込み需要も確認はできますが、全体として増加傾向が見られます。

4. 労働について

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4つ目に見ていきたいのは労働についてです。前年と比較した給与の上昇率を表す現金給与額前年比は殆ど横ばいといったところ。企業短観はポジティブでしたが、労働者への直接的反映にはまだ至っていないのかもしれません。

完全失業率の緩やかな下降、求職者一人当たりに対する求人の数を示した有効求人倍率の上昇が確認できます。喜ばしいことです。ここで私が気になったのは、早出や残業による仕事時間を示した所定外労働時間前年比です。それなりの上昇が見られますね。これは嬉しい悲鳴なのか、それとも無理してるのか…。

でも、不景気だったら残業してまでする仕事もないだろうし、企業が落ちているのであればサービス残業として恐らく報告には上がってこないでしょうし。希望を持ちましょう。

5.景気動向指数
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最後に景気に関する総合的な指標である景気動向指数を見ていきましょう。景気動向に先行する先行指数、景気動向と同時に動く、景気動向に遅れて動く遅行指数の3つがあります。

遅行指数は日本経済新聞のサイトにはありませんでした。基準は2010年が100となっております。先行指数、一致指数どちらも基準値を下回っていない所を見ると、景気の状態は悪くはないようです。

 

景気は良くなっている?

どうやら今回取り上げた指標だけで見ると景気は良くなってはいるようです。しかし、皆さんも感じているかもしれませんが、特に周りで「いやー、景気良くなってきたね!!」という声を方々で聞くことはあんまりないような気がします。

勿論、私がまだ社会との接点が殆どないからかもしれませんが。社会人の方であれば、景気の上昇を感じておられる方もいらっしゃるかもしれません。

 

前にもこんなことありましたね 

以前にも同じように、指標上は景気が良くなっているにも関わらず実感できていないという声が多く聞かれたことがあったかと思います。2002年2月から2006年10月までは景気回復期とされ、数字の上では戦後最長の”いざなぎ景気”(1965-1970)にも並ぶほどでした。

この時、何故国民が景気回復を実感できていなかったのかという理由については一般的に労働者に対するコストカットが挙げられています。名目ではありますがGDPがこの時期に約21兆円増えたにもかかわらず、サラリーマンの所得は4兆円も減っていたようです。悲しいですね。

 

賃金の値上げ、お願いします

今回のアベノミクスはまず消費者マインドを改善することから始めているように私は思います。消費者マインドは消費者の購買意欲、収入、経済状況に対する感覚のことで、一般に消費者マインドが良くなれば景気浮上、悪くなれば景気後退とみることができます。見てみるとプラスマイナス0なのです。

上向いたマインドの下で、企業経営者の方々が労働者に分配を手厚くしてくれないと、庶民への景気上昇感の反映は難しいのかもしれません。前回の景気上昇期と同じような結果に終わらないことを一個人として強く思います。

2014.11追記

9月速報値ではありますが、景気動向指数に注目して景気状況を考察する記事もありますので是非こちらもご覧いただければと思います。

景気は本当に良くなっている?景気動向指数で知る、消費税増税の影響

[Photo by Chairman of the Joint Chiefs of Staff]

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