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先日、天安門事件の発生から25年が経過しました。天安門事件は一種の言論統制事件であり、日本を含めた世界の国々から大きな批判をあびました。しかし、日本はもちろんどこの国も多かれ少なかれ言論統制を行ってきた歴史を持っています。

 

言論統制とは

言論統制とは、その名の通り言論に対して制限をかける行為を言います。多くの場合、国家や権力が個人や団体に対して行います。言論というのは、簡単に言うと自分の考え方や信じているものを表明することです。

日本では、江戸時代には既に大規模な言論統制が行われていたと言われています。1722年に、風俗や徳川家に対する出版物の取締令が出されています。この法令は幕末まで続く出版物の規制に関する基本的な法律になりました。

要するに書物や新聞などを出版する際に検閲(権力側が中身をチェックして出版するべきかどうか判断すること)が入るようになったということです。法令の内容はシンプルで「徳川家に対して異説を唱えるな」という内容でした。この法令の拡大解釈によって、都合の悪い出版物は弾圧され停められました。

明治以降

明治以降の日本では出版法、新聞紙法などの法律により検閲が行われました。出版法と新聞法は大日本帝国憲法(明治〜第二次世界大戦までの日本の憲法)の下で言論統制を行う根拠になった法律です。

統制された内容としては共産主義・無政府主義の宣伝・煽動、皇室批判、日本の植民地(朝鮮・台湾など)独立運動の煽動、人工妊娠中絶の方法の紹介などがあげられます。国家の維持を目的としてつくられた特別高等警察を中心にして国家に不都合な思想を持った人々の摘発が行われました。

第二次世界大戦の後はGHQ(連合国軍最高司令官総司令部)による言論統制が行われています。軍国主義的なもの、戦前・戦中の日本を肯定するもの、連合国軍の行為を批判するもの、原子爆弾や無差別空襲の被害について知らせるものなどについて、ラジオ・新聞・雑誌他、一般市民発行の本に至るまで厳しく取り締まられました。

 

表現の自由と言論統制

現代の日本では、表現の自由(個人の考えや信じているものを自由に表明できる権利)が保証されています。しかし、新しい法律や制度が言論統制にあたるのではないかという議論は頻繁に行われています。

たとえば、東京都が「東京都青少年の健全な育成に関する条例」で漫画作品などの一部の性描写を禁止する改正をしようとした際には大きな議論となりました(2010年2月に否決)。また、風営法によるクラブの規制も言論統制の一種ではないかと批判を受けることがあります。

このように、今の日本には関係のないように思える言論統制ですが、実は身近なところで議論されているのです。

[photo by Ian Burt]

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