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「あのひとの投稿の真意を知りたい」と思うことはありませんか。もはや、使っていない人を探すほうが困難なほど普及したSNS。個人がそれぞれ発信者であるため、SNSにおける自己表現の仕方から、人を心理学的に分析する研究が進んでいます。

いくつかの研究事例を紹介しながら、SNSと自己表現の興味深い関係を探っていきましょう。

 

1.世代別ナルシストからみるSNSの使い分け

SNSの代表格とも言えるフェイスブックとツイッターにおいては、世代によってそれぞれ異なった使い方がされているとミシガン大学の研究は示唆しています。この研究によると、フェイスブックは鏡、ツイッターはメガホンとして使われるといいます。

フェイスブックはその発信者のパーソナリティを反映し、一方でツイッターは自分の意見を多数の人に伝えるために使われているということです。

Panekらは二つの研究を行い、SNSの利用に関するデータを集めました。すると自己愛という面において(つまりナルシストな人の発信)、特に大きな違いが世代間で見られることが分かりました。

平均年齢35歳の被験者群では、自己愛という面における発信において彼らはフェイスブックを好むことが分かりました。彼らの使い方はまるで鏡のように、SNS上で自分の自己イメージを伝え、それに人がどう反応するかをみている、というのです。

この年代の場合はすでに自分の社会的自己を形成しているので、すでに自分の仲間である人たちからの承認を得るためにSNSを使っていると言えるでしょう。

被験者が大学生のみの群では、ツイッターがより好まれ、メガホンのように使い、自分の意見を広く伝えるために使われていることが分かりました。若者たちは、自分の意見の重要性を過大評価しており、ツイッターを通して、自分の仲間関係を広げ、そして様々なテーマに関する自分の意見を伝えようとしているのだと言われています。

両方同じ「自己愛」を背景にした発信でも、フェイスブックとツイッターの利用法の違い、そして発達心理学にも通じる世代間の違いが明らかになりました。他人から承認されたいのか、それともただ自分の意見を多くの人に伝えたいのかが年齢によって変わるということがSNSの利用の仕方にも影響するようです。

 

2.いいね!ボタンは危険?? アドラー心理学からみる承認欲求とSNS

誰にでもある承認欲求。それを満たすことのできる、フェイスブックの「いいね!」ボタン。共感や感動をボタンひとつで表現できる便利なツールであるこのボタンは、一方では危険な毒薬になりえます。

自己の承認欲求を満たすために、他人からより多く「いいね!」を押してもらえるような記事を書いたり、逆に本当はいいね!と思ってもいないのに、書いた人の顔色をうかがって、「いいね!」ボタンを押したりしますよね。

しかし、他の人からの評価が自分を構成するわけではありません。他人に「いいね!」とたくさん言われたからと言って、自分が「いい」人になるわけでもない。承認欲求を満たせば満たすほど、自分の人生が他人のものになっていくのです。

そして、何か上手くいかない出来事が起こったときに、それを「先輩が言ったから」「親が言ったから」と他人のせいにする、無責任な人がたくさんでてきかねません。

 「自分の信じる最善の道を選べ」と精神科医・心理学者のアドラーは述べていますが、それを実際に実行している人が今どれくらいいるのでしょうか。承認欲求を満たすためにSNSを利用することで、自分の本心とは違った、「他人に評価される自分」を演じている人は身近なところにもいるのではないでしょうか。

 
[参考文献]

嫌われる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教え

Facebook or Twitter? How Age and Narcissism Motivates The Choice

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