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2014年8月27日、69年ぶりに「デング熱」の国内感染が確認されました。現在までに感染者は3人確認され、いずれも海外渡航歴はありません。

3人は同じ高校の同級生であり、都内・代々木公園でウイルスを保有する蚊に刺され、発症したと考えられています。本記事では、日本ではあまり聞きなれないこの「デング熱」について概説し、その対応について記したいと思います。

 

デング熱とは?

デング熱はデングウイルスに感染することで発症します。

多くの場合、「デング熱」と呼ばれる一過性の発熱を起こします。感染3~7日後、突然の発熱で始まり、発症3~4日後より胸部・体幹から発疹が出現し、四肢・顔面へ広がります。しかし、これらの症状は1週間程度で消失し、通常、後遺症なく回復します。

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デング熱患者の発疹

通常のデング熱の場合は、輸液や鎮痛解熱剤によって完治可能です。しかし、ごくたまに出血傾向を示す「デング出血熱」へ移行する場合があります。デング出血熱は適切な治療がないと死にいたる疾患であり、輸血療法などで対応する必要があります。

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ヒトスジマカ

デングウイルスは、ネッタイシマカやヒトスジシマカなど、特定の蚊によって媒介され、ヒト→蚊→ヒトと感染します。ヒトからヒトに直接感染することはありません。

 

デング熱がなぜ日本で発生したの?

下記はデング熱の主な発生地域を示した地図です。この地図を見ると、東南アジア、中央アフリカ、中南米が主な発生地域であることが分かります。

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出典:国立感染症研究所 

全世界では年間約1億人がデング熱を発症していると言われています。日本人も、海外渡航によって感染した例が毎年報告されています。しかし、今回の発生したデング熱は「国内感染」によって発生したものです。つまり、海外で感染し、日本に戻ってきた人がいたのではなく、純粋に国内のみで感染したことを意味します。

では、どうして国内感染が起きたのでしょうか。考えられる一番の原因は、海外で感染した渡航者が日本に戻り、その血を蚊が吸ったことです。デングウイルスを媒介するヒトスジシマカは国内にも生息しています。

前述のように、デングウイルスは蚊を介してしかヒトに感染しません。感染した海外渡航者の血を吸った蚊がウイルスを保有し、その蚊が更に感染した3人に吸血したことで、国内感染が起きたと考えられます。

デング熱の対処法

デング熱に対する一番の対処法は「蚊に吸血されない」ことに尽きます。外出時は、虫よけスプレーを徹底し、露出の多い服は避ける。ヒトスジシマカの生息場所である、 墓地、竹林の周辺、茂みのある公園や庭の木陰などに近付かないことが、具体的な対処法になります。

ウイルスを持った蚊も、10月ごろになれば死にます。また卵を介した子へのウイルスの感染は稀です。しかし、デング熱の輸入症例は年々増加しており、今後も国内感染が発生する可能性はあります。

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昨年、デング熱輸入症例が去年、過去最高になった。

今回のデング熱のように、今まで日本に存在しなかった感染症が、グローバル化によって突如発生することは十分あり得ます。厚生労働省国立感染症研究所、全国で発生した感染症やその対応法を逐次HP上で更新しています。

ご自身や周囲の人々の身を守るため、普段から少しずつ情報を集めることをお勧めします。

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