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日本経済団体連合会(以下、経団連)が加盟企業に対して、政治献金の呼びかけを復活させる方針を表明しました。

経団連が5年ぶりに政治献金への「関与」を復活させる。8日、榊原定征会長が会員の約1300社に対し、政治献金をするよう「呼びかけ」を再開する方針を正式に表明した。強制ではない形だが、事実上は経団連が主導し、カネの面で安倍政権支援を強める。 2014年9月9日朝日新聞朝刊より引用

政治献金は多くの人にとって身近なものではないかもしれません。しかし、私たちの生活に深く関わる政治を行う政治家の活動に関わる資金ですので、全ての日本人に関係するお金なのです。

今回の記事では政治献金について概観してみたいと思います。

 

政治家の活動に関わるお金

政治献金は簡単に言うと、個人や企業が政治家や政党に対して、その活動をサポートするために渡すお金のことです。原則として、何らかの見返りを求めずに行う行為なので、「寄付」にあたります。

政治活動を行うためには、調査を行ったり、人を雇ったり、様々なことにお金がかかります。政治家が政治活動をスムーズに行うためにサポートする制度の一つが政治献金なのです。

政治献金の仕組みがわかりにくい一つの理由として、お金を渡す側が「個人」「企業」、もらう側が「政治家」「政党」という風に様々なパターンがあり、それぞれにルールが決まっていることがあげられます。

政治献金に関するルールは「政治資金規制法」によって決められています。「お金を渡すことが法的に許されているかどうか」ということを基準に、簡単な図にまとめてみました。

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(筆者作成)

まず政治家個人への献金は個人からであろうと、企業からであろうと基本的には許されません。個人からの場合に限り、政治団体(政治家が一つだけ指定できる資金管理団体や、政治家の後援会など)を通じて献金を行うことが可能です。

また、政党に対しては個人も企業も寄付を行うことが可能です。ですから、今回経団連が呼びかけたのは当然「政党への献金」になります。

 

日本を取り巻く政治とカネの問題

こうした日本の政治献金制度ですが、問題とされている面がいくつかあります。

一つは、いったん政党に献金されたものを政治家個人の資金管理団体へ資金移動させることが可能であることです。その意味では、企業から政治家個人への献金禁止は実効性がないとすら言われています。

もう一つは、たとえば企業がある政治家が代表を努める政党の支部に対して献金を行った場合、実質的にその政治家個人に献金を行ったような状態にできてしまうことです。政治家個人と企業の癒着(つながり)を防ぐために、企業から政治家個人への献金は禁止されていますが、実際には抜け道があるというのが現状なのです。

世界に目を向けると、フランスやカナダのように政治献金を全面的に禁止している国がある一方で、イギリスやドイツでは金額に上限がなくいくらでも政治献金を行うことができます。

また、政治献金という行為そのものに対しても支持する政治家を応援することで市民が政治参加するための重要な手段だという見方がある一方で、個人や企業と政治家が癒着してしまう賄賂のようなものである、という批判的な見方もあります。

つまり、政治献金制度に関して世界的にも「これが正解」というかたちがないのが現状なのです。

ともあれ日本においては政治献金は許されています。政治参加の方法として、応援する政治家に献金したり、献金の使い道を政治家を選ぶ際の基準の一つにしてみるのもありだと思います。(各政治団体のお金の流れは『政治資金収支報告書及び政党交付金使途等報告書』から確認できます)

Photo by flickr

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