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NHKの連続ドラマ小説(朝ドラ)「花子とアン」が25週連続視聴率21%超え、記録的な大ヒットとなっている。そして視聴率に比例し、次作の朝ドラである「マッサン」への期待も高くなっているのではないか。

 

国際結婚がテーマの朝ドラ

「マッサン」は玉山鉄二演じる亀山政春とスコットランド人であるエリーの国際結婚の物語である。この二人が国境という障壁を乗り越えながら、物語は進んでいく。しかしながら、時代設定は大正で、「国際結婚」という言葉がほど遠い時代であったことは言うまでもない。

現在でも、このような日本人男性と欧米人女性の結婚は国際結婚総数対比でみればまれである。厚生労働省の平成25年の「人口動態統計」によると、国際結婚比率で夫が日本人の場合、 中国人妻が40.5%でトップ。

次に、フィリピン、韓国・朝鮮、タイと続く。妻が英国出身というのは0,2%のみだ。英国はイングランド、スコットランド、ウェールズ、北アイルランドの全てを含んでいるので、スコットランド人の比率は0,2%以下である。

スライド1

参考:厚生労働省「人口動態統計」(平成25年)

 

世界を越境する二つの文化

欧米人女性との結婚率の低さには様々な要因があるが、文化の違いが影響していることは間違いない。アメリカ人作家のSarah A. Lanierは著書の中で「人の動きが国境を越え、流動的になったという意味でのグローバル化したこの世界はHot-Climate-cultureとCold Climate Cultureという二つの文化に分けられる」と述べている。

以下二つの文化の違いについて説明していきたい。

・Hot-Climate (Relationship-based)

農業が経済の基本となっている地域の人々の文化を指す。この文化は人間関係に重点を置くものであり、この分化圏の特徴として挙げられるのが、コミュニケーションが心地よい環境を作ると信じている。

優先順位は友人や家族との関係性維持、効率性や時間は優先順位が低い。これに加えて、彼らは曖昧な表現を好み、言葉を関係維持のツールだと見なしており、時に関係維持のために真実を隠す(うそをつく)事さえある。

代表的な地域はアメリカ南部、アジア諸国、太平洋信託統治諸島(マーシャル諸島など)、(アルゼンチンを除く)南米諸国、中東諸国など。

・Cold-Climate(Task-oriented)

工業化あるいは産業化が特化して進んでいる地域の文化を指す。Task-orientedと言い、仕事を重視する文化であり、彼らは効率性に重点を置く。この文化圏の人たちは、個人主義者が多く、一人の時間を大切にする傾向にある。

彼らにとってコミュニケーションは単に情報交換のツールであって、Hot Climateとは違って正直に何かを答え、個々の人が意見を持ち、他人と意見が相違したとしても正直に意見を述べる。

代表的な地域はカナダ、アメリカ北部、北欧諸国、アルゼンチンなど。

 

 文化的な差異を意識しながら…

しかしながら、文化的な融合という点でグロバリゼーションは進行している状態であるから、例外はもちろん存在する。全員がこの定義の枠に当てはまるというわけではないが、日本人男性と欧米諸国女性の国際結婚率の低さを見るとこの文化構造によって生じる文化的差異は少なからず影響を与えているように思える。

大正時代にCold-Climate(英国)な文化圏で育ったエリーがHot-Climate(日本)の文化的な障壁をどのように乗り越えていったのか。このような文化構造を頭の片隅に置いておくだけでも、ドラマの見え方が少し面白くなるのではないだろうか。

[参考文献]
Lanier, Sarah A. Foreign to Familiar: A Guide to Understanding Hot- and Cold-climate Cultures. Hagerstown, MD: McDougal Pub., 2000. Print.

Photo by Leland Francisco

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