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中村修二教授(米カリフォルニア大サンタバーバラ校)、天野浩教授(名古屋大学)、赤崎勇教授(名城大学)の青色発光ダイオード(LED)の発明が評価され、ノーベル物理学賞の受賞が決まった。

引用元:「祝福メール300通」 受賞者ら喜び語る ノーベル賞

名古屋大学、名城大学は日本人に馴染みのある大学であるが、米カリフォルニア大サンタバーバラ校という大学を耳にした事がない人も多いのではないか。

今月、イギリスの高等教育情報誌「The Times Higher Education」が2014-2015年の「World University Rankings 」いわゆる、世界の大学ランキングを発表した。その順位によると、中村修二さんが教授を勤める米カリフォルニア大サンタバーバラ校は世界で37位にランクインしている。

 

審査方法

このランキングは平均点を基に数値化する偏差値とは違い13の要素を基に順位付けられており、それらは大きく5つに分類される。

1、国際化:International outlook (7.5%)

この分野は大学の国際化が評価対象。大学内の学生、教授国籍の多様性や、研究過程で多くの国の人がその研究に携わっているかなど学生や教員の外国人比率が調査される。

2、研究結果:Research (30%)

この分野では研究結果が評価対象になる。大学での研究結果が同じ部類の研究者に評価されているかどうかを調査し、1万件以上の研究評価を基に点数をつける。また研究によって得られた収入や研究自体に生産性があるかどうかということも評価の対象になる。

3、被引用回数:Citations (30%)

この分野は論文や研究の引用回数が評価対象で、最も重点が置かれている。この5年間で発行された600万冊という膨大な雑誌論文の中から抜粋された5000万件の引用を基に調査されている。

4、収入:Industry income (2.5%)

この分野は大学が産業発達を手助けしているか評価対象である。これは助言とも言い換える事ができます。研究機関が産業から得た収入を大学内の雇用者で割った数値で評価される。

5、教育環境:Teaching (30%)

これは名前の通り、大学の教育を評価する分野である。評価方法は完全招待制の学術的評価を行う調査の結果に基づいている。この調査は1万以上のアンケート結果により作成されたものである。あとは一人の学生に対する教員の比率なども評価の対象になっている。

大きく分けて、この5つの分野で審査は行われる。

 

気になる大学ランキング

今回の順位は以下のようになっている。

〈世界〉

▽1位 カリフォルニア工科大学(アメリカ)

▽2位 ハーバード大学(アメリカ)

▽3位 オックスフォード大学(イギリス)

▽4位 スタンフォード大学(アメリカ)

▽5位 ケンブリッジ大学(イギリス)

▽6位 マサチューセッツ工科大学(アメリカ)

▽7位 プリンストン大学(アメリカ)

▽8位 カリフォルニア大学バークレー校(アメリカ)

▽9位 インペリアル・カレッジ・ロンドン(イギリス)

▽9位 イェール大学(アメリカ)

〈国内〉

▽23位 東京大学(昨年23位)

▽59位 京都大学(昨年52位)

▽141位 東京工業大学(昨年125位)

▽157位 大阪大学(昨年144位)

▽165位 東北大学(昨年150位)

▽226位—250位 名古屋大学、首都大学東京

▽276位—300位 東京歯科医科大学

▽301位—350位 筑波大学

▽351位—400位 早稲田大学、九州大学、北海道大学

 

The Times Higher Educationのアジアへの言及

「The Times Higher Education」は今回の大学ランキングの結果に基づきアジアについて言及している。

“アジアはこの一年間でトップ200に入る大学が増加している一方で、アメリカの大学は減少の一歩をたどっている。香港科技大学はこの20年間で科学の研究においては素晴らしい研究期間になっており、シンガポール国立大学は被引用率を非常に高く、世界中の大学の中で最も大学のグローバル化に成功している。東アジア、シンガポールをはじめとするアジア大陸は北米、欧米に続き、高等教育が発展している大陸となった”

引用元: World University Rankings 2014-2015 by The Times Higher Education

と述べた。しかしながら、日本については東京大学がトップ25位に入った事のみ言及されている。

 

アジアの英語力の差

この大学ランキングは様々な要素によってランク付けされているが、どれをとっても英語力が要求されていることは自明だ。例えば、被引用回数であったら英語での研究結果や論文が求められる。

研究や論文の内容が革新的なものであったとしても、母国語(英語は除く)だけでしか結果として残っていないというのはこの”グローバル時代”にはそもそも評価の対象にならない。東京大学はアジア一位であるものの、過去と比べてアジアにおける相対的なレベルは下がりつつある。

実際、外国語としての英語のテストで知られるTOEFLの国別平均点数(2013年)を見てみると、日本は平均70点に対して、香港は83点、シンガポールは98点、中国は77点、韓国は82点である。調査結果の出ているアジア国内での順位は31位中26位である。

2005-2006のデータではあるが、受験者数も人口対比でみると、日本と他国に大した違いはない。

参考:TOEFL iBT® Tests. Test and Score Data between January and. December 2013 教育再生懇談会担当室「英語教育関連資料」

ランキングなんてたかが一つの指標であるが、されど国際的な競争力を計る一つの重要な要素であることは間違いない。「日本は英語の必要ない国」という常套句が通じない時代になりつつあることは確かだろう。

photo by Playing Futures

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