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今年も日本は8月に起こった広島の土砂災害をはじめ、御嶽山の噴火や相次いで到来する台風など、多くの自然災害に見舞われています。

そんな中、国土交通省が防災のための「タイムライン」の導入を発表し、2014年7月の台風8号からの適用が始まりました。

「タイムライン防災」とは「事前防災行動計画」とも呼ばれ、予想可能な台風や豪雨などの水害に対し、十分な備えを取ろうというものです。例えば台風の場合には、上陸時間から逆算して、「いつ」、「誰が」、「何をするか」を事前に決め、対策を練っておきます。

具体的に被害を軽減した例としては、2012年にアメリカの東海岸を襲ったハリケーン、サンディに対するニュージャージー州の例が挙げられます。

全米で132人が亡くなり、経済損失が8兆円にも上ったサンディの被害ですが、ニュージャージー州ではハリケーンが上陸して被害が発生する時刻を「0時」と定め、事前にやらなければならないことを時系列にまとめていました。

まずは96時間前(「いつ」)には、州(「誰」)が、「避難所の計画と準備」(「何をするか」)をし、72時間前には「州知事による緊急事態宣言」、36時間前には「同知事による避難勧告の発表」、24時間前には「公共交通機関による運休の発表」という手順を定めていたのです。

このように「いつ」、「誰が」、「何をするか」に重きを置くのが「タイムライン防災」の大きな特徴です。その結果としてニュージャージー州では、建物の被害は多かったものの、「犠牲者は0」という結果を出しました。また、事前に交通機関の運休を知らせたため、混乱も少なく、大きな減災効果があったとされています。

今回の台風19号でも、タイムライン制度は適用されました。ニュースでご存じの方も多いと思われますが、「JR西日本・東海で、全ての電車を運休にした」というのがそれです。

日本は自然災害に頻繁に見舞われるためか、危機感が薄いという傾向が見られます。大型の台風が来ているにもかかわらず普段通りに出勤したり、海や河川、田んぼの様子を見に行ったりといった事例が全国で起こっています。

タイムライン防災は、自然災害に対する謙虚な姿勢と、備えを怠らないという意識を持つという意味でも、価値のある制度といえるのではないでしょうか。

Photo by Fabíola Medeiros

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