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10月16日はアメリカの辞書制作者、ノア・ウェブスターの誕生日ということで、辞書の日でした。

この日と天候とにちなみ、風に関する言葉の意味を問う問題が、テレビ朝日系列で放送された『グッド!モーニング』の「依田司のお天気検索」というコーナーにおいて出題されました。

そのクイズとは、『「どこかから伝わってきた噂」という意味で、間違っている表現はどれ?』というもの。解答は、1番「風の便り」、2番「風の噂」、3番「風のつて」の三択で、正解は2番の「風の噂」になります。

「風の噂」が間違った表現という答えには、驚かれた方も多いのではないでしょうか。というのもこの言葉は、巷で良く耳にすることがあるからです。これは基本的には誤用なのですが、一般的には定着してしまっています。

では、なぜ誤用が広まってしまったのでしょうか。

その原因の一つとして考えられることに、歌謡曲の影響があります。「風の噂」という言葉は、実に多くの歌で使用されているからです。古くは1978年6月にアリスというグループがリリースした、「ジョニーの子守唄」があります。作詞は谷村新司です。

それ以降、現在でも、西野カナ、AKB48、Mr.Childrenら、実に多くの歌い手の歌詞に当たり前のように使われています。

流行歌の歌詞には、とても大きな影響力があります。メロディとともに大勢の人々の記憶に刻まれるので、その中で仮に言葉が誤って使われていても、人口に膾炙してしまうのです。

その有名の例が、1975年に発売され、当時の賞を総なめにするほど大ヒットした布施明の「シクラメンのかほり」(作詞・作曲小椋佳)です。

この歌の中には、「清(すが)しい」という言葉が使われています。ところが「清々しい」という言葉はあっても、「清しい」という言葉はありません。しかし、この曲のヒット以降、多くの人が「清しい」という言葉を「ある」と認知してしまいました。

言葉というものは時代とともに変化するものです。ですから、どれが正しい、間違っているということはありません。

しかし、相手や場面によっては失礼にあたったり、恥をかいたりすることもあるので、言葉使いには十分に注意したいものです。

Photo by Vinoth Chandar

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