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30日、自民党の小渕優子前経済産業相の元秘書・折田謙一郎前町長の自宅や、高崎市にある小渕氏の後援会事務所などの関係先が、政治資金規制法違反の容疑により東京特捜部によって捜索されました。

これに関連して安倍晋三首相は、午前の衆院予算委員会において「国民から〝負託〟を受ける議員としての説明責任を果たしていただきたい」と述べました。この発言を受けてか、「負託」という言葉の検索数が急増しています。

「負託(ふたく)」とは、「他人に任務や責任を引き受けさせてまかせること」という意味です。ところがまったく同じ音で「付託」という言葉もあります。こちらは「物事の処置などを他に頼んで託すこと」。

どちらも、自分に代わって他の人に何かをしてもらうというニュアンスのある「負託」と「付託」ですが、違いはどこにあるのでしょうか。

「付託」は、他に託すその内容が具体的です。例えば、やはり国会で良く耳にする「特別委員会に付託する」という言葉は、議会で「議案」の審査を本会議の議決に先立って他の機関に委ねることを指します。

そもそも「託す」という言葉には、個別にお願い内容を限定、契約する「約定」に近いニュアンスがあります。「付託」はまさにこの意味合いで使われます。

その「託す」に似た言葉として、「任す」があります。ところがこの言葉は個別的内容を定めてはいません。具体的に何かをこうしてくれ、と頼むのではなく、決定方法や手段も含めて相手に丸投げする意味合いなのです。「負託」という言葉には、この「託す」と「任す」の両方の意味が含まれているといえます。

また、「付託」の「付」は「つける」、「つかう」に通じる言葉で、物事の処置をしてくれと要求する側の表現です。要求を受ける側は「受託」となります。一方の「負託」の「負」は「まかされる」「おわされる」です。つまり、要求を負う側からの表現で、その要求内容に具体性はなく、漠然と「させられる」ことになります。

「ふたくを受ける」や「ふたくに応える」という言葉は、ともに政治の世界で良く耳にします。しかし、「付託」か、「負託」かでは、意味が変わります。具体的な内容がなくても、とにかく「期待」を一身にいただく場合の表現が「負託」であり、具体的に「要求」をやりとりするのが「付託」なのです。

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