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京都大学に告知無しで警察が踏み入ったということで、大学の自治に関する大論争を引き起こした「東大ポポロ事件」が話題になっています。

参考:http://togetter.com/li/741110

「東大ポポロ事件」とは、東京大学の公認学生団体「ポポロ劇団」が演劇発表会を行った際に、学生がこの会場にいた私服警官に対して暴行を加えた事件の事です。この事件について行われた裁判で「大学の自治」について争われ、それに対して出された最高裁の判断が注目を集めました。

ポポロ劇団は、1952年2月20日に東京大学本郷キャンパス内の教室で「松川事件」をテーマとした演劇を上演しました。「松川事件」は1949年に福島県の国鉄東北本線で起きた列車往来妨害事件ですが、労働運動の弾圧の為に警察が仕組んだ事件ではないかとささやかれる事もある未解決の事件でした。

上演中、学生らが観客の中に私服警官を発見し、その場で警官の身柄を拘束して警察手帳を奪い、謝罪文を書かせました。その際に学生らが暴行を加えたとして起訴されたのです。

これに対し学生らは、今回の演劇発表会は、大学の許可を得て行ったものであり、その公演に対して警察官が大学内に侵入して調査する事は、大学の自治を侵すものであるとして争いました。

一審、二審ともに学生の行為が大学の自治を守るためのものであるため、正当な行為であるとして、無罪の判決を出しましたが、最高裁はそれらを破棄し、審理を東京地方裁判所に差し戻しました。

差し戻し後は、一審で有罪判決を受け、その後の控訴・上告も棄却され、有罪が確定しました。

最高裁は破棄・差し戻しの判断理由として、大学の自由と自治は憲法23条で保障されているものだが、今回の演劇発表会は、学問的な研究と発表のものではなく、実社会の政的社会活動に当たるもので、憲法23条が保障している範囲では無いから、警察官が立ち入っても大学の自治や学問の自由を侵すものではない、と言う事をあげています。

この判決では、大学の自治が憲法23条で保障されている事、学生は大学と言う施設の利用者であり、大学自治の享有主体で無い事、大学内の学生集会であっても、集会の目的や内容によっては、自治の範囲外になる事が判断されており、重要な憲法判例として扱われています。

Photo by flickr

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