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物価が安い、人件費が安いというイメージがある中国。日本から近いということもあり、安い人件費を求めて中国に工場を建てる企業も以前は多くありました。

中国における、この“安さ”がビジネスにおいて魅力だったため、長らく「チープ・チャイナ」として日本だけではなく世界各国で注目されていました。ところが、この「チープ・チャイナ」を基盤としたビジネス構造が大きな転換期を迎えています。

理由は、崩れ始めている“安さ”にあります。まず、昨年の秋には1元あたり16円ほどだった為替相場も、1元あたり19.6円と元高・円安が進んでいます。

元高の伸び率はとても勢いがあり、この事実だけでも中国であらゆる物価が高くなっているのが分かります。しかも、為替相場だけではなく、物やサービスの値段自体も上昇を続けているのです。

では実際に、日常生活ではどのように影響しているのでしょうか。

例えば、スターバックス。日本であれば370円程度のラテ(トールサイズ)が、中国では27元で、日本円に換算すると約486円。なんと日本より高いのです。

もし現地に出張した日本人がスターバックスでこのラテを飲んだとすると、実際には為替手数料も含まれることになり、ラテは日本円換算で約500円弱になってしまいます。

国内生産品は安価な場合もありますが、輸入品に対する価格は円換算すると日本より割高になることが多いのです。そのため、似たような商品に対する価格差が激しいのは中国マーケットの特徴の一つです。

繁華街に近いホテルや駅周辺のホテルも料金がどんどん上昇し、その様子から「チープ・チャイナ」の印象が払拭されつつあります。特に不動産の高騰は顕著で、都市部では物件販売価格はもちろん、賃貸物件の価格も急上昇していると言います。

数年前までは月額4万円程度で借りることができた部屋も、今では5万出しても借りることができない物件が多くなっています。

現地の様々な物価が上昇しているという背景には、為替相場の上昇だけではなく、現地の所得や消費水準の上昇もあります。そのため、以前は安い賃金で雇えていた中国内の労働力も、そのままの賃金では雇えないようになってきました。

労働力の安さを求めて中国に進出した海外の企業は、こうした中国の転換期に苦しんでいます。中国経済は今、以前の「チープ・チャイナ」を基盤とした海外からの国内への投資を呼ぶ構造から、国内の需要を基盤とした経済成長へと転換しつつあるのです。

 Photo by flickr

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