仙谷由人元官房長官政界引退へ、理由は?【衆議院選】

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前回の衆院選で落選していた元官房長官・仙谷由人氏は18日、記者会見で「今度の選挙は、将来性のある若い人に頑張ってもらいたい」と語り、衆院選への不出馬を表明しました。仙谷氏は民主党政権を屋台骨として支えた実力者で、行政刷新担当大臣、官房長官、法務大臣などを歴任しました。

日本経済新聞(電子版・11月20日付)は、引退の最大の理由は、今回の衆院選挙で区の定数を「0増5減」するあおりで、仙谷氏の地元徳島の定数が3から2に減ったことだと伝えています。

仙谷氏は毀誉褒貶(きよほうへん)相半ばする政治家ですが、同氏に対する最大の批判は、尖閣諸島中国漁船衝突事件の際の対応です。

2010年9月7日、尖閣諸島付近の海域で違法操業を行っていた中国籍の漁船を日本の巡視船が発見し、退去を命じました。しかし漁船はそれを無視し、巡視船2隻に追突・破損させました。海上保安庁は同漁船の船長を公務執行妨害で逮捕し、9日には那覇地検石垣支部に送検しました。

当初、民主党政権の複数の閣僚は、「法令に則って粛々と対処する」としていましたが、那覇地検は「わが国国民への影響や、今後の日中関係を考慮して、船長を処分保留で釈放する」と突然発表しました。当時官房長官だった仙谷氏は、船長の釈放は検察独自の判断でなされたと述べていました。

しかし仙谷氏は2013年、時事通信のインタビューで、船長の釈放は検察の判断ではなく、自身が法務事務次官に指示したことを認めました。同氏の証言によれば、間近に迫っていた日本で開催予定のAPECに中国が来ないという事態を恐れた当時の菅首相が焦り、解決を急ぐよう仙谷氏に指示したという背景があったようです。

民主党政権下では「影の総理」とさえ呼ばれた仙谷氏ですが、実力者であったが故、批判の矢面に立たされるかたちで、前回衆院選で落選の憂き目にあいました。

同氏は、「政界引退とは一度も言っていない。政治活動は続ける」としていますが、民主党自体が国民の信頼を失っている今、政界への影響力を保持することは難しいでしょう。

photo by wikipedia

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