蔵王山の噴火予兆と予想される災害とは

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19日の夜、宮城県と山形県にまたがる蔵王山で、火山性微動が3回発生しました。火山性微動とは地下のマグマや水蒸気が移動したり、沸騰して気泡が発生することなどにより起こる、地表での微弱な振動のことです。

この3回の火山性微動のうち、午後9時49分ごろに観測されたものは、7分30秒あまりに渡って継続しました。しかも先月のものに比べ、約2倍の最大振幅を記録したそうです。

また、山頂の西側にある地盤の変動を捕らえる傾斜計のデータにも、熊野岳山頂南側がわずかに傾く変化が見られ、気象台の担当者は「直ちに噴火する恐れはない」としているものの、火口付近に近づく登山者に対し、注意をよびかけています。

蔵王山は年代の異なる複数の火山活動によって形成された「火山群」です。樹氷やスキー場、温泉などで有名で、また「御釜(おかま・直径360m・別名五色沼)」と呼ばれるカルデラ湖は観光の目玉ですが、火口はその「御釜」を中心に北西から南東方向に連なっています。

約40~10万年前には溶岩流が複数の噴出口から多数流出、現在の熊野岳(くまのだけ、最高峰)、刈田岳(かっただけ)などが形成されました。「御釜」の原型が形成されたのは約3万年前のこと、五色岳及び「御釜」はその中に生じた後カルデラ火砕丘です。有史以降に起きた主な噴出活動や被害を伴った噴火は「御釜」の内外で発生しています。

最後の噴火記録は1895年(明治28年)。このときは御釜が沸騰し、火山泥流が発生したそうです。蔵王山での噴火の特徴は、泥流の発生率が高いことです。これは積雪期に火山噴火物が火口周辺の雪を一気に溶かすために起こる現象で、「融雪型火山泥流」といいます。これに対し、斜面に積もった火山灰が雨によって土砂や岩石を巻き込みながら流れ落ちるのが「土石流」です。

上空の風向きが強い西風(偏西風)のため、降灰は主に宮城県側に降ると予想されています。降灰による建物被害、交通被害や健康被害の起こりうる予想範囲は広く、1cm以上の降灰は北は宮城県小野田町や山形県尾花沢市、南は福島県豊山町にまで至ります。これには当然、仙台市全域が含まれます。

他にも噴石や火砕流(火山現象で生じる熱い、気体と固体粒子からなる空気よりもやや重い密度流)、可能性は低いながらも溶岩流なども予想され、十分な注意が必要です。

photo by Flickr

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