本来の意味とは違う、日本の「積極的平和主義」

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積極的平和主義とは何か

「積極的平和主義」という言葉は2013年12月に閣議決定された「国家安全保障戦略」で用いられてから、頻繁に耳にするようになりました。

安倍政権が用いている「積極的平和主義」には、簡単に言うと、「軍縮や防衛など自国の問題だけに限らず、PKO(国連平和維持活動)などにより積極的に世界の平和に貢献していきましょう」といった意味があります。

しかし、実は本来の意味での「積極的平和主義」は現在の自民党の用法とは異なります。

 

本来の「積極的平和主義」の意味

「積極的平和主義」の本来の意味について知る前に、まず「平和」とは何かについて知る必要があります。

多くの辞書では「平和」は「戦争や紛争が存在せず、社会が安定している状態」といった説明がなされていますが「積極的平和主義」的な思想ではこうした「平和」の状態を「消極的平和」と見なします。なぜなら、たとえ紛争や戦争が存在しないとしても社会には様々な問題が存在するからです。

ノルウェーの平和学者ヨハン・ガルトゥングは「消極的平和」を「戦争のない状態」、「積極的平和」を戦争がないだけではなく「貧困、差別など社会的構造から発生する暴力がない状態」と定義しています。

例えば、日本は第二次世界大戦以降、戦争をしていません。(戦争に武力参加していませんのほうがしっくりくる?)ところが日本社会には貧困やいじめ、経済格差、差別など様々な問題が山積しています。こうした問題の解消に向けて「積極的に」行動していく態度を「積極的平和主義」というのです。

現在の自民党が使っている「積極的平和主義」という言葉が本来の意味とは違うから自民党が間違っているというわけではなく、言葉は学問分野や社会状況によって使われ方が異なるということを理解しておくことが重要でしょう。

Photo by Jayel Aheram on flickr

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