台湾統一地方選で蒋介石の流れを汲む与党•国民党が大敗

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11月29日投開票が行われた台湾の統一地方選挙で、馬英九(マーインジウ)総統率いる与党・国民党が大敗を喫しました。

今回の統一地方選挙では、台北市、台中市等6つ直轄市(中央政府である行政院が直轄する都市)での市長選挙などが行われ、2016年に行われる総統選挙の前哨戦と位置付けられていました。

国民党は台北市、台中市など3つの直轄市で敗北し、馬英九総統の政権運営に大きな打撃となりそうです。一方で最大野党の民進党は台中市、高雄市など4つの直轄市で市長ポストを押さえ、総統選へ向けての追い風を受けるかたちとなりました。

首長選全体の政党別の得票率は民進党が約48%、国民党が約41%でした(日本経済新聞電子版11月29日付)。

現在の与党・国民党は、1949年、国共内戦に敗れ中国大陸から台湾へ逃れた蒋介石の流れを汲み、長期的には大陸との統一を主張しているものの、共産党主導の統一には反発しています。

国民党と共に二大政党のひとつである最大野党の民進党は、1986年に国民党に批判的な勢力によって設立された台湾史上初めての野党で、台湾独立を志向しており、2000~2008年には政権与党の座にありました。

今回の国民党大敗は、増税策、党内での権力争いなどが原因として挙げられますが、最大の要因はその対中政策だと考えられます。馬総統は就任以来、中国との関係強化を推進してきました。というのも、台湾経済は、貿易、観光などで大きく中国に依存しており、それなしでは成り立たないというのが現状です。

一方で、民主主義が発展した台湾では、共産主義中国への強い警戒感もあります。今年3月には、中国との経済協力枠組み協定を具体化するための一環である、サービス貿易協定の発効に反対する学生らが立法院(国会)を占拠する事態となり、馬政権は大きな打撃を被りました。

経済的な中国依存は受け入れざるを得ないが、中国に飲み込まれる事態は避けたい、というのが多くの台湾人の心情でしょう。こうしたジレンマの中で戦われる2016年の総統選挙。国民党、民進党、いずれが勝利しても難しい舵取りが求められます。

photo by Flickr

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