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今、巷で話題の「人狼ゲーム」をみなさんはご存知でしょうか。「人狼ゲーム」とは嘘をついている「人狼」を見つけ出すゲーム。普段は人の姿をした「人狼」は、夜になると1人ずつ人間を喰い殺してしまいます。

これに対抗するため、毎日昼の間に一人ずつ、「人狼」とおぼしき人を多数決で選び、処刑します。「人狼」を追放するのが先か、「人狼」に喰い殺されるのが先か、話術と、洞察力、推理力等々が試される会話型ゲームです。

現在、人狼ゲームはTVやネットで多く扱われ、人狼ゲームを取り扱う店や会社、大学サークル等多数存在しています。近々、大学人狼という番組まで放送されます。

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この「人狼ゲーム」、なぜここまで人気になったのでしょうか。今回 の記事では「人狼ゲーム」流行の秘密を探っていきます。

 

 人狼の持つ「非日常性」

人狼ゲームではランダムに「村人」や「人狼」といった役職が割り振られる。自分の役職以外はゲーム終了時まで知ることはできず、推理するほかありません。

ゲームは「村人チーム」と「人狼チーム」に分かれて行われます。

村人チームになれば「誰が人狼か」すなわち「このなかで誰が嘘をついているのか」を推理することになる。表情・仕草・言葉遣いなどから手がかりを探す。ときには、はったりで相手の動揺を誘います。

人狼チームになれば周りの人間を騙すことが目的となる。自分の普段の行動を考え、怪しまれないように振る舞い、演技をします。

このような人狼ゲームの持つ非日常的な独特の雰囲気が、人々を魅了する1つの理由だと言えるでしょう 。

 

 高い「戦略性」

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しかし、「インディアンポーカー」や「ウィンクキラー」など人狼ゲームの他にも嘘をつくことを主軸においたゲームはたくさんあります。なぜ人狼ゲームだけが流行したのでしょうか。その秘密は人狼ゲームの「戦略性」にあります。

人狼ゲームでは「村人」「人狼」などの他にも、「占い師」「霊媒師」など村人チームを助ける特別な能力を持つ役職が多く存在します。このことにより同じチームの中の人でも、その価値に差ができます。

特殊能力を持っていると言っている人は、ただの村人であると言っている人よりも処刑されづらくなります 。裏をかけば、逆に特殊能力を持っていると主張している人から先に人狼の疑いがかかることもあります。

「嘘をついているかどうか」と「特殊能力の価値」を天秤にかけつつゲームを進めることで高い「戦略性」が生まれます。

 

 自尊心をくすぐる「人狼ゲーム」

人狼ゲームでは様々な能力が試されます。他人を説得するには、相手を説得する「論理性」が必要であり、嘘つきを推理するには「推理力」や「洞察力」が必要です。

「人狼ゲームに勝つ」ことは「これらの能力がある」と評価されるようで、自尊心をくすぐります。この魅力から人狼ゲームにはまる人も少なくありません。

 

 お手軽に作れるコンテンツ

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人狼ゲームが爆発的に流行し始めたのには「ニコニコ動画」や「youtube」など動画投稿サイトの影響が大きいと言われています。「人狼ゲームを行う動画」や「仮想のキャラクターに人狼を行わせる動画」が多く投稿され、人狼ゲームの知名度を広めました。

この背景にはインターネット上で、誰でも簡単に情報を発信できるようになったことが影響しています。人狼ゲームの動画を多く投稿したのは、映像制作の仕事などとは関係ない、いわば「一般人」です。

このような動画によって、人狼ゲームは口コミのような形で広まりました。

また、人狼ゲームの動画を作ることのハードルの低さもこの一因です。通常動画コンテンツを作ることになると、TV番組のように視聴者の興味をそそるものを一から考えなければなりません。

しかし人狼ゲームではゲームのプレイ自体が興味をそそるものとなっており、単純にゲームのプレイさえすれば十分です。内容を考える手間が大幅に少ないと言えます。

 

人狼ゲームの流行は「非日常性」「高い戦略性」「自尊心をくすぐること」「動画投稿サイトの興隆」など様々な要因が重なってできたものと言えるのかもししれません 。

本記事は「東大人狼研究会」から寄稿されたものです。「大学人狼」はこちら。

[参考文献] 川本勝『流行の社会心理』

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