中国政府イスラム教規制強化へ、深まるウイグル族との溝

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中国政府は新疆ウイグル自治区において、イスラム教徒の女性が公共の場所で顔を覆うスカーフの着用を禁止する規定を定めました。この規定はウイグル自治区ウルムチ市の議会で今月10日に可決されています。

ウイグル自治区では中国政府に反発したデモが今でも頻繁に起こっており、宗教弾圧ともいえる今回のこの規定に対してもウイグル族の反発が予想されます。

新疆ウイグル自治区は中国の西部に位置しており、中国の国土の六分の一を占める広大な面積を誇ります。この新疆ウイグル自治区には多数のウイグル族が暮らしており、ウイグル族は中国人の大半を占める漢族とは、文化や習慣、言語、宗教、まで違います。

ウイグル族はトルコ系民族で、顔立ちは中東の国の人々と似ており、ホリが深い顔をしています。イスラム教を信奉し、ウイグル語を話し、文字も独自の文字を使うなど、漢民族との大きな違いを持つために、中国からの独立を訴えるウイグル人も多くいるのです。

しかし広大な面積を持つ新疆ウイグル自治区は、資源の宝庫ともいえるので、中国政府はこの独立運動を抑え込もうとしているのです。こうして対立の土壌ができてしまいました。

また、交通の整備にともない、漢民族がウイグル自治区で職を求めて大量に移民してきました。漢民族を優遇する規定もあり、漢族に仕事を奪われ職を失うウイグル人も出てきました。

中国政府はウイグル族に対して様々な規制をしてきています。たとえば学校では中国語を学ぶことを強要し、ウイグル語を教えることはありません。イスラム教に対しても、前述のように民族衣装の着用を禁止するといったこともしています。

また、ウイグル族の若い人たちに、大都市にいって大学に通うことを斡旋し、外地での仕事を紹介して、ウイグルの文化から若い人を切り離し、漢民族に同化させようとしています。

こうしてウイグル族は独自の文化や宗教を弾圧されることに不満を抱いてきたのです。それが近年になってテロという形で表面化しています。数あるテロの中で中国全土に衝撃が走ったのは、中国雲南省昆明の昆明駅で起きたウイグル族によるとみられる無差別殺傷事件でしょう。

このテロ以降にも、ウイグル自治区では頻繁にテロが起きています。中国政府はメディアを規制して、すべてのテロを報道していないと言われており、実際はあちこちでテロが起きているようです。

中国政府とウイグル族の緊張した関係は、明るい見通しの見えないまま混迷の度を増しているのが現状です。

Photo by futureatlas.com on flickr

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