ほとんどの抗菌薬が効かないMRSAに効く「ライソシンE」が発見される

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今月8日付けの米科学誌ネイチャー・ケミカルバイオロジー電子版に東京大学大学院薬学系研究科の関水和久教授と浜本洋助教らの研究グループは、ほとんどの抗菌薬が効かないMRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)に有効である新抗生物質「ライソシンEを発見したと発表しました

MRSAは、人の皮膚に常にいる黄色ブドウ球菌の一種で、一般的な抗生物質に対して耐性(抗生物質が効かなってしまうこと)を持っているため、この菌による感染症を起こしてしまった場合、治療できる薬剤の選択肢が限られてしまいます。そんな中、今回の発見は新たな治療可能性を広げる、画期的なものといえます。

研究グループは、マウスに比べて飼育コストが100分の1以下のカイコを利用した実験方法を確立し、2007年に開始しました

ライソシンEは、沖縄本島の海岸近くの土壌で採取した細菌の中から見つかり、作用メカニズムを分析したところ殺菌力が強く、1分間で細菌の99,99%を殺菌するということが判明しました

また、菌の細胞膜のみを破壊し、人間などの哺乳類には毒性は低いと考えられます

グループは今後、東京大学発のベンチャー企業「ゲノム創薬研究所」ともに治療薬としての承認に向けた実験を開始する考えで、7~8年後実用化を目指します

photo by NIAID

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