集団的自衛権の行使範囲拡大へ:憲法改正へ安倍政権の動き

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今月14日の衆院議員選挙では、自民公明両党が3分の2議席以上となる317議席を獲得する圧勝となりました。これをうけて、安倍首相は憲法改正へと本格的に行動を起こすと考えられています。

安倍首相は衆院選から一夜明けた次の日に、「憲法改正は自民党結党以来の主張だ。」と述べ、その意気込みを語っています。来年9月の総裁選で再選を果たすことになれば、安倍首相の任期は平成30年9月までとなり、憲法改正へ十分な時間を得ることになります。

憲法改正に対する関心が高まる中、政府は21日、来年4月の統一地方選のあとに国会提出を予定している安全保障関連法案について、集団的自衛権の行使できる範囲の地理的制約を行わない方針を打ち出しました。

政府が集団的自衛権の行使について制約を解除しようとする動きには、ホルムズ海峡で起きていることが大きく関係しています。ホルムズ海峡とは、北にイラン、南にオマーンの飛び地に挟まれている海峡です。

この海峡は、石油の重要な搬出経路となっていて、毎日1700万バレルの石油をのせたタンカーが行き来します。原油輸出の重要地点であるため、中東の政情不安などで海峡が封鎖されると、世界の原油供給が危ぶまれる、と以前から懸念されていました。

昨年末以来、イランの核開発問題をめぐって欧米諸国が経済制裁を強める中、イランはこのホルムズ海峡の封鎖により対抗するとの姿勢を見せています。以前にもイランは機雷を用いてホルムズ海峡を通るタンカーを攻撃した過去があります。

もし本当にホルムズ海峡が封鎖されると、中東原油に依存している日本は大きな打撃をこうむるでしょう。なぜなら日本の原油の86.6%は中東地域から輸入しているからです。

こうした原油危機を防ぐために、ホルムズ海峡の機雷による封鎖に対抗して、自衛隊を派遣できるようにしたい、というのが日本政府の狙いなのです。今の憲法の解釈では、集団的自衛権を行使できる範囲が周辺海域になっているため、解釈に地理的制限を取り払いたいのです。

こうした指針に対して「日本に直接関係のない遠くの海へでかけていって戦闘をするのか」という批判は免れないでしょう。今後の安倍政権の動きに注目です。

Photo by Official U.S. Navy Page on flickr

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