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“正月太り”は耳慣れた言葉だと思います。耳が痛い、という方もいるかもしれません。

今回は、正月太りの実際について検証してみたいと思います。

 

 正月太りはホント

結論から言うと、正月太りの存在は確かにデータ上で示されています。

では、どれくらい太るのでしょうか?

2000年のデータで少し古く、かつアメリカからの報告であるため、必ずしも日本において同じ数字になるとは限りませんが、参考程度にお付き合いください。サンクスギビング(11月末)から、年明けにかけて体重増加する人が多いのではないか、という仮説を検証した論文によると、

11月末から1月半ばの6週間における体重増加の平均は、+0.32kgでした。

1年間にすると平均で+0.62kgの体重増加があったことから、この6週間が1年の体重増加のほぼ半分を担っているということになります。イメージ図を下に示します。

obesity_graph

(筆者作成)

0.32kgは以外と少ないなと思うかもしれません。ただ、同じ研究で、春や夏にこの0.32kgが清算されることはなかったという結果を合わせて考えると、毎年正月ごとに約0.3kgずつ人間は太っていく・・・ともいえます。

※あくまで平均値です。当然個人差はあります。

 

 糖尿病と正月太りとの関係

糖尿病の血糖コントロールを表す数値として、HbA1c値があります。この値は、1〜2か月前の血糖値の状態を示すと言われ、値が高いほうが糖尿病のコントロールが不良であることを示します。

日本からの報告で、HbA1c値のピークは3月にあることがわかっています。この値は、1〜2か月前の血糖値の状態を示しますので、このことからもやはり正月付近に血糖値のコントロールが悪くなることが示唆されます。

正月付近に血糖コントロールが悪くなる要因として・・・

・催し物が多いため、食事量が増える

・寒いため外出が減り、運動量が減る

・飲酒が増える

などが考えられています。これらは、糖尿病ではない人にとっても、正月に体重が増える要因にそのまま言い換えることができます。

 

 40〜60代の男性は特に正月太りに注意

具体的な対策については、体重に関することですから、もう言い尽くされたことだと思います。

ただ、1年を通して考えたうえでやはり正月は体重増加のリスクが高い時期であり、そこで増えた体重はわずかであっても、なかなか清算されず、長い目でみるとそれなりの影響が起こりうるという認識を持つ事は大切ではないでしょうか。

もともと肥満の方、運動習慣のない方において体重増加が多くみられたという結果も示されています。

元来、肥満者が少ないとされる日本においても近年、男性に限定されますが、肥満が問題になっています。40代から60代の男性のうち、肥満者は30%を超えています。反対に女性では、30~60歳代において肥満者の割合が減少しており、20~40歳代においては“やせ”が増加傾向になっています。

この背景を考えると、少し体重が気になり始めた40〜60代の男性は、正月太りに特に注意が必要ということになります。

今回のお正月は、食べ過ぎ、飲み過ぎに注意しながら、少しの運動を追加してみませんか?

【参考文献】
土井邦紘, 2010, 「正月とHbA1cの関係は?.」『肥満と糖尿病』9(2): 253-255.

Jack A. Yanovski, et al. 2000, “A prospective study of holiday weight gain,” NEJM, 342(12): 861-867.

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