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 センター試験を運営している団体とは

年が明けて、いよいよ受験シーズンが近づいてきました。その先陣を切るのが冬の風物詩、センター試験です。毎年55万人を超す受験者数が、全国各地の大学や高校において2日間にわたり一斉に受験する日本最大規模の試験です。

特に、2015年センター試験は2009年告示の新学習指導要領での試験が理数科目でスタートすることや、昨年末に中央教育審議会が『新しい時代にふさわしい高大接続の実現に向けた高等学校教育、大学教育、大学入学者選抜の一体的改革について(答申)(中教審第177号)』、いわゆるセンター試験の廃止に関する答申を発表したこともありその存否も含め注目度は上がっています。

さて、大学受験生にとってはなじみの深いセンター試験ですが、どのような団体が運営しているのかご存じでしょうか。

今回はセンター試験を企画・運営・実施している「独立行政法人大学入試センター」に焦点を絞り、財務諸表からその運営体制を明らかにしたいと思います。

 

 独立行政法人とは何か?

まずは独立行政法人とは一体何なのでしょうか。独立行政法人通則法 第2条 第1項には次のように規定されています。

 “国民生活及び社会経済の安定等の公共上の見地から確実に実施されることが必要な事務及び事業であって、国が自ら主体となって直接に実施する必要のないもののうち、民間の主体にゆだねた場合には必ずしも実施されないおそれがあるもの又は一の主体に独占して行わせることが必要であるものを効率的かつ効果的に行わせることを目的として、この法律及び個別法の定めるところにより設立される法人”

重要なポイントは以下の2点です。

①「独立行政」と書かれてある通り、従来、行政の管轄であった活動を業務の質の向上、効率化を狙いとして独立させ法人格を与えたもの。(例:造幣局は2003年に財務省から独立)

②基本的には一般の企業と同じく利益をあげて自主財源で運営される。(ただし、赤字を計上した場合、前年度からの積立金や国から交付金によって賄う。)

独立行政法人といえばどうしても、そのいくつかが民主党政権時代に事業仕分けの対象となったことから、「赤字垂れ流しの経営体制」というイメージが先行しますが、大学入試センターの場合はどうなのでしょうか。

 

 損益計算書からみる独立行政法人大学入試センター

以下の2つの図は平成25年度の財務諸表の内、損益計算書を基にグラフ化したものです。

損益計算書はある一定期間のその法人の儲け具合を示すものです。

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まず、経常収益(業務利益に業務外収益・業務外費用を加減算したもの)のうちその99%が受験料収入のよって占められているのが分かります。

ちなみに受験料は一人当たり1万8千円(3教科以上受験の場合)となっています。また、センター試験の実施それ自体にかかる費用の内訳は以下のようになっています。

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このセンター試験業務費に法人の運営費を足したものが経常費用となり大学入試センターにおける一年間の支出ということになります。

前述の経常収益から経常費用を減算し、臨時損失(被災地出身の高校生に対する受験料免除等)と臨時利益を加減算すると、約3億2千5百万もの純利益を計上していることが明らかになります。

他の多くの独立行政法人はどうしても行政サービスや研究への投資などの側面が強いため、業務利益を出すことができず、収益の多くを国からの交付金で賄っているケースがほとんどです。

財務諸表を見る限り大学入試センターは自主財源によって質の高い学力試験を提供している健全な法人であると言えるでしょう。

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[参考文献]
*大学入試センター,2015年,財務に関する情報(2015年1月15日,http://www.dnc.ac.jp/corporation/jouhou_koukai/zaimu/)

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