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岸田文雄外相は17日、インド・ニューデリーでスワラジ外相と会談し、外務・防衛次官級協議の早期開催を確認しました。

外相は、「日米印の協力を重要視している」と述べ、共同訓練や日本からの防衛装備品の輸出などについて協議し、安全保障分野での日米印3カ国の協力関係を強化する方針でも一致しました。

また、会談に先立ちニューデリー市内で行った講演で岸田外相は、インドと中国が領有権を争い、インドが実効支配するインド北東部アルナーチャル・プラデーシュ州について、「インドの領土」と明言しました。

日本の外相が印中間の領土問題に言及するのは極めて異例です。

外相によるこうした動きの背景には、日印に共通した中国の海洋進出への懸念があります。日本に対しては、尖閣諸島周辺で領海侵犯を繰り返している中国は、インド周辺の海域でも動きを活発化させています。

中国はパキスタン、スリランカ、バングラディシュ、ミャンマーなど、インド周辺の国々で港湾整備のための支援を行い、インド洋でのシーレーン(交易や安全保障上、重要な意味をもつ海上交通路)確保に力を注いでいます。

この海路、及び中国のシーレーン戦略はインドを囲むように構築されていて首飾りのように見えることなどから、「真珠の首飾り」と呼ばれています。

以前は、インドでは海軍の重要性はそれほど高くなかったのですが、こうした中国の動きを懸念し、現在は海洋権益確保に力を入れるようになりました。それが、中国に対する危機感を共有する日本との安全保障関係強化へのモチベーションとなっています。

インドは、毎年8月に連邦議会で原爆犠牲者追悼のための黙祷を行い、昭和天皇崩御の際には3日間の喪に服すなど、比較的日本に友好的な国です。

一方で中国とは、上述のアルナーチャル・プラデーシュ州やカシミールなどで長年国境紛争を抱え、いわば「歴史的ライバル」と言える関係にあります。日本とインドは、経済的には中国と深い関係にありながら、その領土的野心を懸念しています。

その両国が、アメリカとも連携しながら安全保障での関係強化を図ることで、国際的に警戒感を抱かせている中国の膨張主義に対し、一定の圧力となる可能性があると考えられます。

photo by Flickr

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