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イスラム教は、近年ヨーロッパで最も急速に支持者を増やしている宗教ですが、これには理由があります。

こちらの動画では、欧州で最も多くのイスラム教徒が住むフランス(約700万人)、二番目に多いドイツ(約450万人)の歴史からその理由が紹介されています。

 

▽フランス

1830年、フランスは、当時多くのイスラム教徒が住んでいたアルジェリアを侵略しました。占領後、フランス領アルジェリアと名付けられ、そこでは制度、慣習、教会や学校などイスラム教と関連のある全ての文化が廃止され、市民にイスラムの宗教的理念を忘れさせる代わりに、フランスの市民権を与えました。

その約一世紀後の1962年、アルジェリアはフランスからの独立を果たします。

しかし独立した現在も、フランスには過去に移民したフランスの市民権を持つアルジェリア系の人々が住んでいて、彼らがフランス国内のイスラム教徒人口の大半を占めているのです。

 

▽ドイツ

ドイツでは、19世紀の半ば頃まで、イスラム教徒人口の爆発的な増加は見られませんでした。

1952年、ベルリンの壁建設事業に多くの労働者が必要とされ、その労働力不足を解消するため、ドイツはトルコから大量の移民を「ゲスト・ワーカー(Gastarbeiter)」として受け入れました。

移民の多くはイスラム教徒で、元々彼らは1,2年働いた後に祖国であるトルコに帰るはずでしたが、当時、トルコの雇用状況は良いと言えるものではなく、彼らはそのままドイツに住み着くこととなりました。

1960−70年代には、ベルギー、スウェーデン、オランダでも、これと同様の仕組みでアラブ人とイスラム教徒の大規模な流入が起こっています。

このような歴史が、 イスラム教徒の欧州内人口を増加させました。それと同時にこの歴史は欧州のナショナリストとイスラム教徒の間に諍い(いさかい)を生んでいる背景としても存在しています。

 

〈編集部コメント〉

フランス、ドイツに共通している歴史的な事実は、共に自国の都合で移民の受け入れをしたということです。初まりはイスラム教徒ではなく、彼らの都合(占領、労働力不足の解決)によるものでした。昨年起きた、フランス・パリの週刊紙「シャルリー・エブド」襲撃事件は、このイスラム教徒と欧州の諍いに拍車をかけました。

この欧州の諍いだけではなく、歴史を理解し、それについて考えることが重要な一歩になるのかもしれません。

Cited by How Islam Became the Fastest Growing Religion in Europe | TIME  Translated by Kazuhisa Orikawa, Photo by zoetnet

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