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民主党は3月1日、2015年度定期大会を都内で開催しました。昨年末の選挙にて民主党が自民党に大敗を喫したことは記憶に新しいことと思われますが、野党第一党となった民主党はその責務をどのように捉え、今後の国会討議や政策作りを行っていくのでしょうか。

 

 柱は「女性」と「地方」

民主党が公式webサイトを通して伝えているところでは、岡田代表は(入院中のため蓮舫代表代行による代読)、代表選からの1か月間における民主党のあり方を「オール民主党」によるものと評価した上で、「この体制のもと『女性』と『地方』を2つの大きな柱として、党の再生と国民の信頼回復に向けて全力を挙げていく。困難な道程であるが、地域の皆さんと連携して一つひとつ乗り越えていく」との決意を表明しました。そして、4月に行われる統一自治体選挙に向け、その旗印を「生活起点」と「地域起点」とする考え等を表明しました。

対安倍政権については「安倍政権と対峙し、来年の参院選挙、そして総選挙に向けて、大きく反転攻勢をかけていく。民主党が目指す社会、多様な価値観を尊重し、互いに支え合う共生社会、その実現に向けて、党が一致団結して進む姿を示し、国民の信頼と期待を取り戻していく」と話し、安倍政権に対する対決姿勢を明らかにしました。

続いて登壇した枝野幸男幹事長は、岡田代表のメッセージを補足する形で、民主党再建の諸戦略について説明しました。まず「地域起点」については、「地方からのボトムアップ」が党の再生に不可欠であるとして、「党運営で地方からの声をそのど真ん中に据える。『地域起点』は政策的方向性にとどまらない民主党の原点だ」と主張しました。

 

  岡田氏の最初の成果は西川農林相辞任

次に「生活起点」については、特に女性の力に注目し、「女性の元気は民主党を変え、日本の政治と社会そのものを変える大きな可能性を秘めている」と主張しました。その上で「ハラスメント防止指針」を他党に先駆け、この党大会から施行することを表明しました。

当面の課題については「経済政策、格差問題を含めた国民生活、労働法制、安全保障法制、エネルギー基本計画、財政健全化や無駄遣いとの闘いなど重要な課題が山積している」と話しました。

民主党は昨年12月の衆議院総選挙にて、自民党に大敗を喫しましたが、議席自体は73議席と選挙公示前より僅かに増えました。今年1月の代表選挙では岡田克也氏が選ばれたばかりです。岡田代表による新生民主党の最初の成果は、西川公也前農林水産大臣の責任を追及し、同氏を辞任に追い込んだことと言えるかもしれません。

 

 具体性に欠ける印象か

しかし野党の存在意義は、現職大臣らの仕事や責任を精査し、その責務状況を追求することだけではありません。野党第一党としての民主党に求められることは、与党に対する明確な反対案や政策案を提示し、それを国会という場において討議していくことだと思われます。

この観点からすると、今回の党大会における民主党のメッセージは具体性と気迫に欠ける印象です。党大会では、現在の日本で大きな争点となっている数々の問題が「山積している」との認識を示しただけです。民主党は与党が進める集団的自衛権の行使容認や自衛隊の海外派兵についてどのように考えているのでしょうか。

また民主党は憲法改正をどう捉えているのでしょうか。改正案を独自に作成し、少なくとも独自の価値観を広く国民に提示した自民党に比べ、民主党では党内人事などへの配慮から憲法改正についての明確な立場表明はなされていません。野党第一党としての民主党の真価が問われるところです。

Photo by Dick Thomas Johnson

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