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“ネットニュートラリティ(ネットワーク中立性)”とは、「インターネット上にある全ての情報は平等に扱われるべきである」という考え方です。

その「ネットワーク中立性」を支持する人々は利用者がどのプロバイダーと契約していようと、ネットコンテンツは同じ回線速度で利用されるべきであると考えます。

しかし、昨年アメリカでは、プロバイダー会社の「コムキャスト」がネットフリックス内の動画のストリーミング速度を故意的に遅くし、物議を醸しました。この通信妨害は、ネットフリックス社が「コムキャスト」が所有するインターネット配信設備の改良費の一部を支払うまで続きました。

この通信妨害に関して、「コムキャスト」は、インターネット回線利用の30%はネットフリックスの動画配信が占めていたため、設備の改良費を支払うのは当然だと主張しています。

日本ではあまり馴染みの無い2社会に代わり、「コムキャスト」と「ネットフリックス」の状況を、通販会社の「アマゾン」と輸送会社の「フェデックス」で例えてみましょう。

アマゾン内で売られている商品の大部分はフェデックスが輸送しています。フェデックスはアマゾンに配達用トラックの修理費の一部を払うよう要求し、さらに、アマゾンがその支払いを拒否すると、消費者への商品配達を遅らせます。このようなことがネット内でも起こっているということです。

しかし、両者も一番問題なのは、送料(プロバイダー料金)を支払っているのも、商品(情報)の到着が遅れて困るのも消費者(ユーザー)ということです。

そこで、FCC(アメリカ連邦通信委員会)は、インターネットプロバイダー会社が顧客に提供するサービス(ネット回線スピード)を故意的に操作することを規制しました。

オバマ大統領率いる民主党はこの規制に賛同する一方で、インターネット産業に関わっている多くの共和党支持者は「この規制は政府による過剰な介入であり、インターネット産業の革新と成長の妨げになる」と難色を示しています。

〈編集部コメント〉

「ネットワーク中立性」が日本では聞き慣れない言葉なのは、日本の音楽、動画、電子書籍などを含めたブロードバンドコンテンツがアメリカに比べてまだまだ充実していないからだと考えられます。

実際日本ではアメリカと比べて回線の混雑が問題になっていません。しかしながら、今後コンテンツが充実してくるとしたら、それと同時に「ネットワーク中立性」の議論も生じてくる可能性があります。

Cited by Net Neutrality Explained| WSJ Translated by Chiyo Tsubouchi, Photo by Daniel Iversen

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