あなたならどう感じる?波紋を呼んだ米スタバの「Race Togetherキャンペーン」とは

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3月15日から米国内のスターバックス各店で、『Race Togetherキャンペーン』という人種問題についての自由な意見交換を促す運動が実施されました。

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photo by Starbucks Drops ‘Race Together’ Initiative 

Race Togetherキャンペーンでは、各店舗で働くバリスタが、客に手渡すコーヒーカップの側面に「Race(人種/民族) Together(共に)」というスローガンを書き込むことによって、消費者間における人種問題についての会話を促すということが目的とされていました。

しかしながら、バリスタによって加えられるこうした“一手間”が時間に追われる消費者から大きな反発を買ってしまったとみられています。

「乗らなきゃ行けない電車があるのに、400年の歴史を持つ差別について語っている時間なんてない」など、インターネット上にはキャンペーンに対する様々な批判の声が飛び交いました。あまりの反発の激しさに、同社広報担当副社長のコーリ=デュブロワ氏は「個人的に攻撃されているように感じた」とし、自身のTwitterアカウントを一時的に削除しています。

こうした批判の声ばかりが目立つ一方、「何もしないよりも、何かしようとしたことがすばらしい」と肯定的な意見を述べる消費者もいました。

同社CEOのハワード=シュルツ氏は、「人種問題は人々の意見が分かれる極めて感情的な問題であるということは、このキャンペーンを構想し始めた段階からわかっていました」と人種問題に対する関心のばらつきや人種問題を取り扱う同キャンペーンの難しさについて語っています。

大きな波紋を呼んだこのキャンペーンを終了した3月22日には、シュルツ氏は 従業員へ向け「(人種に関する)会話を“始める”ことが、私たちにとって最も大切なことだと信じています。」というメッセージを同社のホームページ上に投稿しています。

(上記の文章は、米ABCニュースが3月22日に公開した動画「Starbucks Drops Controversial “Race Together” Initiative」の内容を翻訳、抄訳し、まとめたものです。)

 

<編集部コメント>

Credoでもアメリカの人種問題に関する記事をいくつかアップしています。これらの記事でも触れられているようにアメリカの人種問題は200年以上も続く根深いものです。

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アメリカを二分しかねない問題だけにコーヒーブレイク時の「気軽な話題」には向かないと多くの人が感じたのでしょう。しかし、だからこそ人種問題は未来に向けてアメリカが解決しなければいけない最重要課題の一つでもあるのだとこの記事は示してもいます。

まだまだこの問題が「気軽なもの」となる日までは遠いですが、このように私企業のトップがメッセージを発するのは意義深いことです。Apple社のCEOもインディアナ州で成立した反LGBT法に反対する声明を出しています。

ただ、このニュースの場合は、スターバックスのトップが発するメッセージは押しつけがましいと多くの人に受け止められてしまいました。

今回のケースは、上からの啓蒙活動だけではなく、人々が自発的に人種問題について考える下からの運動もこれからの時代には必要だということを示している出来事だったと言えるでしょう。

Cited and photo by Starbucks Drops ‘Race Together’ Initiative 

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