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webメディアが日々力を付ける中、「紙媒体としての新聞」の危機が叫ばれています。

たしかに、デジタルメディアの一般化に伴って、大手新聞の発行部数は軒並み減少していますが、だからといって新聞(社)の価値が無くなってしまうわけではありません。高い使命感を持った優秀な編集者や記者を多数抱えた新聞こそが新時代のメディアを作り出す存在なのかもしれません。

今回のイベントでは、あえて新聞社だけではなくwebメディアやベンチャー企業からゲストを呼び、「作り手」だけではなく「読み手」の視点、そして新聞の駆逐者となるかもしれない新しいメディアの「作り手」の視点も取り入れつつ、「新時代のニュースとメディア」について語り合いました。

前編はこちらから。『Webと新聞から考える、新時代のニュースとメディア〜朝日新聞メディアラボで語り合う夜〜:前編

中編では質問タイムの内容についてお届けします。

 

Question-1

スポーツ新聞で記者をやっている者です。webの記事って雑誌や新聞みたいにまとめ売りではなくて切り売りだから、深い広がる記事が書けませんよね。そこに関して、読者を感動させたり深く考えさせたりする記事をつくるための解決策があったらお願いします。

Answer-1

山川:解決策の一つ目はイマーシブ (immersive/没入型) なウェブメディアを作ることですかね。動画とテキストなどを組み合わせて、発信していくことです。

二つ目としては、ロイヤルなカスタマーを作ること。毎日、そのwebメディアに行く、その記者の記事を読まないと不安になってしまうようなファンを増やせたら良いですよね。それをどうやるかが問題なんですが。

三つ目は超ローカル、超クラシファイドなモノを作ること。例えば、地方新聞が未だに強いのは、詳細な人事ニュースやお悔やみ欄があることもあると思います。必然的に、その地域の人はそこに集まりますよね。

川原崎:身も蓋もない話になってしまいますが、そもそもその種の記事にニーズがないと思いますよ。そもそも、ニュースって暇つぶしのためにあるようなものじゃないですか。

スマートニュースを例に取れば、読者のほとんどは暇つぶしのために読んでいて、その全読者の中で1割程度がロイヤルな読者。解決策があるとするならば、ダイレクトユーザー、ニッチなユーザーをターゲットにしたメディアを作ることじゃないですか。しかしながら、コストの維持は難しいですよね。

中野:ハフィントンは編集長が変わってから、オリジナルな記事を増やすという方針に変わってきています。今年3.11の特集を組んだ時は、編集者がお金と時間を使って、自由な取材を福島、宮城でやりましたが、PVは芳しくなかったです。やはりニーズがないんですかね…

他にも、記事の転載や、アグリゲーションで記事を作っています。アグリケーションの話で言えば、一つのトピックに対して、「毎日新聞さんの意見は○○」「読売新聞さんは○○」という風に書けて、要は、各メディアの良いとこ取りなんですよね。そこには、読者に得をさせたいという思いがあります。それに加えて、ソーシャルメディアの反応、動画を加えるなど、できるだけ深くなるように努力はしています。

 

Question-2

テクノロジーの発達によって、誰もが簡単に何千人、何万人に向けて情報を発信できるようになりました。クリックひとつで発信できる時代、誰もがマスメディアになり得る時代で、情報の信憑性をどう保っていくのですか?

Answer-2

川崎原:普通に考えて、人は学習すると思うので、自分の欲しい情報は自分で取りに行くようになると思いますよ。webの信頼性が低くなっても、人の方が進化して自分から信頼性の高い情報を選別するようになると思います。

中野:記者を体験した身から言うなれば、webはスピード重視ですよね。「これで公開してしまうの?」とwebに関わりはじめた当初は驚きました。捏造ということではなく、記事の事実関係の確認に関係するプロセスが紙媒体に比べて少ないんですよ。

信憑性はブランド価値につながると思っています。間違った情報を流してしまうと、ブランド価値は下がりますよね。これを繰り返してしまった場合、資本主義の理論が成り立って誰も見ない媒体になってしまいます。だからwebにおいても紙においても信憑性は大切です。

前島:僕の方からもお答えさせていただくと、そうした時代だからこそ信頼性の高い記事や媒体が価値を持つという側面もあると思います。手段は色々とあると思いますが、Credoの場合は「専門知識を持ったライターが記事を書く」ということを信憑性を保つための一つの手段として捉えています。

Logimiの場合は全文を隠さず書き起こすということだったり、8bitnewsの場合は市民による一次情報だったり、Newspicksの場合はある種の「衆人環視状態」だったり、様々な手段によって信憑性を価値として売り出している側面があると思っています。

 

後編は近日公開予定!

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