先週末、米国株式市場でS&P 500指数が最高値を更新し、2022年10月12日以降に続いている強気相場が確認されました。この期間の上昇率は35%で、先週末には1.2%上昇し、4839.81で取引を終えました。ここでは、過去の強気相場の動向と現在の上昇の要因について振り返ります。

S&P 500指数は、インフレの鈍化の兆候と昨年後半の米連邦準備理事会(FRB)のハト派転換を受けて、年間で24%上昇しました。最近では、人工知能(AI)ビジネスの成長への期待から、半導体関連株が買われ、一段高になっています。

株式市場は歴史的に見て、下落よりも上昇することが一般的であり、S&P 500指数は1950年以降、約85%の期間で強気相場を維持しています。過去40年間の6回の強気相場では、平均で260%近い上昇を記録しています。

歴史的なデータによれば、最高値を更新した局面では騰勢が長続きする傾向があり、クリアブリッジ・インベストメンツのデータによると、S&P 500指数が1年以上ぶりに最高値を更新した14回の事例のうち13回では、その後12カ月間の上昇が続き、平均リターンは13.9%となっています。

1928年以降のS&P 500指数の平均年間リターンは7.5%です。2022年10月以降の上昇をけん引しているのは、マイクロソフト、テスラ、グーグルの親会社アルファベットなど、巨大テクノロジー企業です。S&Pダウ・ジョーンズ・インデックスのシニア・インデックス・アナリスト、ハワード・シルバーブラット氏によれば、S&P 500指数はテクノロジー関連株のウェイトが高く、昨年のトータルリターンの62.18%は、こうした銘柄によるものです。

S&P 500指数のテクノロジー・セクターは、S&P 500指数が安値を付けた2022年10月から70%以上急騰しており、通信サービス・セクターも60%近く上昇しています。AI技術への期待も株価を押し上げており、時価総額ベースで世界最大の半導体メーカーとなったエヌビディアは昨年、株価が3倍になり、今年に入っても値上がりが続いています。