パリ – ノートルダム大聖堂の再開は、フランスのエマニュエル・マクロン大統領にとって勝利の舞台となるはずだった。むしろ、ミシェル・バルニエ首相が政府崩壊につながる不信任投票を受けて木曜日に辞表を提出したことを受けて、祝賀会には同氏の辞任を求める声が影を落としている。
バルニエ氏の脆弱な議会連立政権は、欧州連合第2位の経済大国であるフランスで60年以上で初めて崩壊した。バルニエ氏に対する投票はマクロン氏がバルニエ氏を任命してからわずか3カ月で行われ、フランス首相の在職期間が最も短い氏となった。バルニエ氏はマクロン氏が新首相を任命するまで暫定首相に留まる。
最近の情勢により国が政治的不確実性をさらに深めている中、マクロン氏は木曜夜の演説で国民に向けて演説した。
同氏はバルニエ氏の献身に感謝し、同氏を打倒した不信任投票は「前例がない」と述べ、「極右と極左が反共和戦線に参加」し、一部の政治団体が「混乱」を選んだと付け加えた。
マクロン大統領は「数日以内に」新しい首相を指名すると述べ、団結を訴えた。
事態の転機は、2019年4月15日の火災で焼失したパリのスカイラインの宝石である築860年のノートルダム大聖堂が今週末にグランドオープンする数日前に起こった。
広く期待されていた再開は、2024年までに大聖堂を修復し一般公開するという自身の公約に対して当初から懐疑的な見方をしていたマクロン氏にとっては大政変とみなされた。
ドナルド・トランプ次期大統領を含む世界中の国家元首やその他の高官が再開のためにパリに集まる予定で、その後土曜日の「再開礼拝」から始まる1週間の祝賀会や式典が続く予定だ。今回の訪問は、トランプ大統領が先月の大統領選挙で勝利して以来初めての海外訪問となる。
マクロン大統領は数日前、ノートルダム大聖堂のテレビツアーに参加し、その再開が世界に「希望の衝撃」をもたらすことを期待していると述べた。 フランスメディアが報じた。
バルニエ政権は国民議会(下院)の極左議員と極右議員が手を組んで圧倒的多数でバルニエ氏に反対票を投じたことで崩壊した。合計331人の議員が不信任案を支持したが、これは可決に必要な299人を数十人上回った。
この投票は、議会の承認を回避するためにめったに使用されない憲法上のメカニズムを導入して、物議を醸している2025年予算案を押し進めようとするバルニエ氏の取り組みに対する怒りの高まりを受けて行われた。同氏は、月曜に発表されたこの措置は、政治的分裂が深刻な時期にフランスの安定を確保し、低迷するフランス経済に対処するために必要だったと主張した。
国会は、マクロン氏の中道同盟、左派新人民戦線連合、マリーヌ・ルペン氏の極右国民集会という3つの主要ブロックで構成されている。
マクロン氏の立場は厳密にはバルニエ氏の辞任による影響を受けないが、辞任を求める圧力が強まる中、同氏の政治的将来は不透明となっている。そしてマクロン氏は現在、大きく分裂した議会が承認できる首相を見つけるという難しい課題に直面しているが、6月に突然の解散総選挙を呼びかけ、その結果混乱が増し、ますます機能不全に陥ったマクロン氏自身が引き起こした混乱の余波と広く見られている。政府。
政治専門家のダグラス・ウェバー氏は木曜日、NBCニュースに対し、「今のところマクロン氏の立場は危険にさらされていない」と語った。 「しかし、彼が政権を樹立できなくなる期間が長ければ長いほど、辞任して新たな大統領選挙を実施することで政治的行き詰まりを解決しようとする圧力が強まるだろうが、その選挙では彼は再び立候補できなくなるだろう。」