オアシスが15年ぶりに再結成するというニュースが発表されるやいなや、ファンの間では熱狂と同時に混乱が広がった。その背景には、コンサートチケットの価格が急騰する「ダイナミック・プライシング」という仕組みがある。
オアシスの再結成発表後、SNS上ではさまざまな反応が飛び交った。あるユーザーは、「15年間オアシスの再結成を待ちわびていたのに、たった一曲『ワンダーウォール』を生で聴きたいだけだったのにチケット争いに敗れてしまった!」と嘆く投稿を行った。このような投稿は、単なる不満や、ファン層内の排他的な態度を表すものであったが、ファンにとっては痛切な現実を映し出していた。
オアシスは、かつてイギリスのロックシーンを牽引していたバンドであり、その影響力は絶大だった。特に1990年代のブリットポップムーブメントの中で、オアシスの最初の2枚のアルバムはその先駆けとなり、幅広い層のファンを魅了した。しかし、2009年のパリ公演の裏でのノエルとリアムの喧嘩により、バンドは解散。以来、再結成の噂は絶えなかったものの、実現することはなかった。
今回の再結成に対し、若い世代のファンが多く反応していることは興味深い。オアシスが解散した時期をリアルタイムで知らない世代が、今なおその音楽に熱狂しているというのは、バンドの普遍的な魅力を物語っているのだろう。
一方で、再結成ツアーのチケット販売に関する問題も深刻だ。チケット販売のシステムが、特に人気アーティストの公演において、ますます競争が激化し、手に入れることが難しくなっている。オアシスのチケット販売開始が告知されたのは8月31日。その日、多くのファンがオンラインのチケット販売サイトに殺到し、長時間待たされることとなった。あるサイトでは3万人以上が「順番待ち」となり、購入までに何時間も待つ事態が発生した。
さらに、チケット価格の急騰も問題だ。「ダイナミック・プライシング」と呼ばれるこの価格設定の仕組みは、需要に応じてチケット価格が変動するため、人気公演では一気に価格が上昇する。ある記者は、オアシスのチケット4枚で1500ポンド(約28万円)を支払ったことに憤慨していた。これはファンにとって、大きな経済的負担を強いるものであり、コンサートに参加する楽しみを損なう要因となっている。
オアシスの再結成という喜ばしいニュースの裏側には、このような「チケット争奪戦」と「価格搾取」が潜んでいる