インテル社の日本法人は、国内14社と共同で研究団体を設立し、パッケージングなどの「半導体製造の後工程」の自動化を目指すことを発表しました。これは、日本とアメリカが半導体供給網の強化を図る中での動きです。
この新しい研究団体は、東京に拠点を置く「半導体組立てテスト自動化標準化研究協会」(SATAS)で、2028年までに自動化技術を導入することを目的としています。この協会の会長は、インテル株式会社の鈴木邦政氏が務めています。
京都に拠点を置くオムロン株式会社と村田機械株式会社は、自動化された搬送システムと保管システムの研究開発を監督します。一方、ヤマハ発動機株式会社とレゾナックホールディングス株式会社は組立てとテストプロセスを担当します。
シャープ株式会社は、パイロットラインの設計と運用を担当します。
協会はプレスリリースで、「既存の(ブラウンフィールド)および新規の(グリーンフィールド)工場の両方で、SATASのソリューションが実装されることが商業化の主な目標である」と述べています。
後工程は、シリコンウェハに電子回路をエッチングする「前工程」よりも労働集約的であるため、自動化に適していると見なされています。
この新しい協会の設立は、岸田文雄首相の政府が進める先進半導体の国内供給網を強化する努力と一致しており、米国と中国の間で高まる貿易緊張の中で、その安定供給を確保することを目指しています。
政府は最近、トヨタ自動車株式会社を含む8大日本企業によって2022年に設立されたチップメーカー、ラピダス株式会社に、最先端の2ナノメートルチップの生産を支援するため、約1兆円(約65億ドル)の補助金を提供すると発表しました。
計画された補助金のうち、約500億円が後工程技術の開発支援に充てられる予定です。産業省は、日本の半導体産業が次世代半導体の国内生産を開始することを期待しています。
日本の半導体セクターは、労働コストが低い東南アジア諸国との激しい競争の中で、製造効率を向上させ、コストを削減することを目指しています。